生前は日の目を浴びることなく、
没後に一斉を風靡した画家、田中一村の展覧会が、
今月末まで、千葉市美術館で開催。
奄美大島にある田中一村美術館では見られなかった
奄美に行く前の千葉での20年間の作品を多数見ることができます。
田中一村ってどんな人?
ご存知ない方に、ざっくりお伝えすると、
神童と言われた幼少期から死ぬまで絵を描き続け、研鑽をつみ、晩年、奄美大島に移り住み、
そこ、奄美大島で描かれた自然や動植物モチーフの絵が、
亜熱帯の風、空気感が感じられる素晴らしい絵なのですが、
若い頃に本流を外れた故か、日本ぽい理由のせいか⁈
生前は日の目を見ることがなかった画家です。
田中一村をなぜ知ったのか
私は、動物が好きなのとアート好きな母の影響もあって、
生き物が描かれている絵を見るのが好きでときどき美術館に行っていました。
その頃、偶然知りました。
田中一村との再開
その後、奄美大島に仕事でよく行くようになって、
田中一村の美術館に行きたいと長年思いつつも行けず。
昨年、奄美パーク内の美術館にやっと入館でき、
約30年ぶりに絵に再開。
今年、この展示があると知って、
学芸員さんの講座がある日に伺うのを楽しみにしていましたが、
無くなっているのを直前に知り、
それでも、どうしても行きたかったので行ってきました。
気になっている方は、おすすめします!
以下、見た感想を列挙します。
感想
死ぬまで、試行錯誤して描き続けたこと、本当に素晴らしい。
お父さんも芸術家で、一村をプロデュースした。
ずっと援助してくれた人、川村家のお中元の日傘や帯に絵付もしていた。
キリギリスとカボチャの絵のキリギリスが素敵。
椿図屏風がすごい!
シャモの絵が、でも最初の作品が一番かっこいい!
写真本みたいな写真を元に絵を描いていた。
写真から絵を起こすという仕事もしていた。
細かく描いていたものが、段々そうは描かなくなったような感じがしたが「アダンの海辺」の絵は全くの別モノで、細かかった。絵の周りに、海が空が続いて見える、音が聞こえるような気がした。
印刷物と本物で明らかに違うのは、奥行き感や立体感。本物は三次元のように立体感、空間を感じる絵なのに、印刷物は全体的にベタっとする印象。印刷物の限界? 本物がCGの絵みたいと感想を述べていた人もいた。
奄美に行く前の千葉時代の絵が、そして絵以外にも展示物あり。
色紙(正方形も縦長も)にたくさん絵を描いていた。
おまけ ブラスチラバ絵本原画展もおすすめ
ブラスチラバ絵本原画展も同時開催中。
こちらも動植物モチーフの絵本原画も多く、
可愛らしいものがたくさんで、気持ちが明るくなりました。
日本とチェコスロバキアの絵本作家の作品が多数紹介されていて、
海外作品は、色や描き具合が日本と全く違う独特な感じで面白く、
日本の絵本作家さんも、初めて知る人がほとんど楽しかったです。
「もみじのてがみ」「やもじろうとはりきち」「うずらかあさんとたまご」が好きになりました!
美術館情報
千葉市美術館 JR千葉駅より徒歩15分かバス利用
会期:2021年1月5日〜2月28日 田中一村展 千葉市美術館収蔵全作品、ブラチスラバ絵本原画展
入場料:田中一村展のみ600円 2つ見て1,000円。JAFカード見せると、100円割引。