ツパイ Treeshrewsとは ボルネオ島の動物

Treeshrew ツリーシューリューとの出会い

今回、ボルネオ島で初めてハイドに入り、鳥以外にたくさんのTreeshrew ツパイを長い時間、初めて観察しました。

今回は哺乳類の図鑑を持って行かずに、リストだけ手元にある状況だったので、現地では、ガイドからシューリューと略して聞いていたので、てっきりアフリカにいるshrewと同じ仲間かと思っていたら、全然違っていたことが、帰国後判明。いや、現地でもなんか変だな変だなと気になりつつも、鳥の種名をチェックして記録する方が先になって、哺乳類の確認に行く前に毎晩寝落ちしてしまい、現地でよく確認する前に帰国してしまい失敗しました。同行した皆さんごめんなさい、間違ってご案内しました。帰国後、ボルネオ島の哺乳類図鑑を真面目に確認したのでまとめました。

TreeshrewとShrewは違う

shrewとついてるから、近い仲間なんだろうと思ったけど、Treeshrew ツパイは、shrew ハネジネズミの仲間とは全く違う仲間。サイズも大きいし顔も違う気がするから何か変だなと思ったのは間違っていなかった。

ツパイは世界に何種いるの?

世界に18種いて、ボルネオ島に9種、うち7種が固有種で、ボルネオはツパイの多様性の世界的な中心地となっている。

マレー語だとリスもツパイも「ツパイ」

ツパイはリスに外見は似ているけど顔が細長く、実は全く違う生き物。
マレー語で「ツパイTupai」は、リス squirrelsとツパイ treeshrewsの両方を指すのでマレーの人と話していると混乱するかもしれないが、この2つのグループは無関係。

ツパイとリスとの違い

リスはネズミに最も近縁のげっ歯類であるのに対し、ツパイは霊長類、コウモリ、ヒヨケザルBorean Colugoに最も近縁である。強い前歯を持っていないツパイは硬いものが齧れない。確かに、バナナの切れ端をぺろぺろとなめていたのは覚えている。

ツパイ詳細

識別点

ツパイは、肩に淡い縞模様があること、鼻が長いこと、陸上性(地面を好む)であることなどでリスと区別される。 警戒したツパイは尾を水平から上に振り上げるが、ほとんどのリスは背中の上で丸まった状態から尾を後ろに振り上げる。

食性

ツパイの歯にはげっ歯類のような鋭い前歯がないため、リスやネズミのように硬い木の実をかじるのではなく、柔らかい果物や昆虫を食べる。成体の雌雄は同じ大きさ。種子を食べるジリスはボルネオの低地ではまれで、イチジクなどの柔らかい果実を食べるツパイに取って代わられている。 アジア大陸の乾燥した地域や寒い地域(キナバルでは標高2000m以上)では、固い種子が多く、ジリスの方がツパイを上回る。

繁殖

ツパイは哺乳類の中では珍しく、いわゆる不在型母性保育システムを持つ。通常、地面の穴や木のくぼみ、古い鳥の巣などに植物をいれた緩い巣を作って個々に眠る。しかし、メスは出産前に別の巣を作り、そこで子供を産む。 その後、母親は2日に1度、自分の乳を子供に与えるために数分間だけ巣を訪れる。 それ以外は巣に近づかない。捕食者に狙われないためであろう。 子供が巣から出てくると、母親は子供が自分で餌を探すのを手伝い、普通の注意深い母親になる。オスとメスのテリトリーは通常重なっており、一緒にいるのをよく見かけるが、オスは子供の世話には関与しないようである。

【まとめ】

ボルネオ島には、リスに姿は似ているけど全く違う仲間の動物『ツパイ』という日本にはいない生き物が生息しているから、リスみたいな動物を見たら、観察して確認してみよう。

ボルネオ島にいるツパイ目
ハネオツパイ科 1種
ハネオツパイ Feather(Pen)-tailed Treeshrew
ツパイ科 9種
 コモンツパイ Plain Treeshrew 固有種
 アカオツパイ Ruddy Treeshrew 固有種
 ヤマツパイ Mountain Treeshrew 固有種 山地生
 ピグミーツパイ Lesser Treeshrew
 ホソツパイ Slender Treeshrew 固有種
 ペインテッドツパイ Painted Treeshrew 固有種
 シマツパイ Striped Treeshrew 固有種
 オオツパイ Large Treeshrew
 ミナミホソオツパイ Smooth-tailed Treeshrew 固有種

参考にしたのは、以下の書籍
Phillipps’ Field Guide to the Mammals of Borneo

メッセージ

世界のフィールドを歩き生きてきた私は、移動して自分の知らない世界とつながり、自然や生きもののエネルギーでパワーチャージをしています。クリアな自然の中に身をおき、動植物を感じようとすることは、自分のコアな部分につながり、瞑想しているような落ち着いた時間を過ごすことができます。私とそんな時間を共有してみませんか。

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橋場みき子

生きものと世界の大自然、旅や愛爬ヒョウモントカゲモドキ、ときどき娘のことなど書いています。動植物大好き、自然の旅案内人として、知人・友人に案内しています。2020年3月まで世界の動植物に会いに行く旅を手配・案内する生活をつづけて20年以上、1年に地球5周を移動するような生活でしたが激変。2021年9月私は生きものとのつなぎ人と自覚し復活。鎮まりながら多動し、今日も生きています。

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