今月はウシ科の動物を引きつづき紹介。
小型のアンテロープの仲間で、いっけんどこにでもいそうな雰囲気ですが、
普通にサファリをしていたら、ほとんど見ることはない動物。
岩場にしか棲まないのでその生息場所は限られている。
蹄が縦に長く、爪先立ちをしているように見えるが、
知っていて、双眼鏡でよく見ないと、そんなことはわからない。
今回は、この動物というより、
この動物ののっている岩山の話をすこし。
「果てしない草原」
という意味のマサイ語、
セレンゲティには、
このような岩山が点在していて、
それは、kojpe(コピ、コピーと発音される)という。
硬い花崗岩の岩山だけど、
コピは、角の削れた丸い大きな岩を重ね組み合わせたかのように見える岩山が多く、
この独特な雰囲気は、ここ以外では見たことがない。
果てしない草原という表現がぴったりの
「草原の海」の中に、
コピの岩山がところどころあって、
ここを大事な生活場所にしている動物たちがいる。
クリップスプリンガーやハイラックス、
もっと小さなトカゲやネズミなど。
また、ライオン、ヒョウ、チーターなどの肉食獣が、
狩のために見晴らしのいい場所としても
コピは利用されている。
というわけで、サファリ中に、
コピに立ちよって、ネコ科の動物を探しはするけども、
滅多にいることはない。
一度だけ、いないかなぁと探して見上げた岩のうえにヒョウがいて、
目があった瞬間、あっという間に消えた。
そんな、捕食者もやってくる場所だから、
クリップスプリンガーは、昼間は岩の頂上付近で見張りをしている。
アンテロープの仲間はたくさんいるけど、
その生態はいろいろだ。
撮影日:2017年2月11日
撮影場所:タンザニア・セレンゲティ国立公園