結果的には、ホテルのスタッフが紹介してくれたタクシードライバーに、セブ島南部に位置する街、ジンベイザメと一緒に泳げるオスロブまで連れて言ってもらった。
オスロブまで、片道3時間半〜4時間位かかる。渋滞にはまるので、帰りはもっとかかった。
セブ島の渋滞はひどい、恒常的な渋滞だ。ただ、道も悪くないし、車も酷くない(排気ガスが尋常じゃない国もあるがいたって普通)運転してる人のマナーも、クラクションをよく鳴らすけど、そんなに悪いわけじゃない。
世界的に見たら中程度の渋滞のひどさかなと。
歩行者が、時々、えっていうタイミングで突っ込んでくるのと、明らかに運転技術がないと思われる人が、運転しているのが怖いと思ったくらいだ。
フィリピンは運転免許はその日のうちに取れるらしい。みんな取る前に運転してるいるそうだ。
だから下手な奴は、ライセンスがないよと。
タクシードライバーは、ジョアンという29歳男性。
長い道中、いろいろ聞いておしえてもらい、日本ではどう?と逆に質問されたりで、いろいろ話した。
長い道中がおしゃべりで、楽しかった。
仕事では先のことを常に考えているので、あまり余裕がない。
いまのフィリピンのことたくさん知った気がした。
朝7時から学校は始まるが、スクールバスが渋滞に巻き込まれないよう、5時台には登校するとか、ドゥテルフ大統領に変わって、タクシードライバーも突然ホールドアップされなくなったとか。
まぁ、たわいもない事を話していて、宗教の話にもなった。
300年以上経つ古いカトリックの教会がたくさんあるから、まあ自然な流れ。
でも、これ私にはハードルがある。
「宗教、お金、政治の話はしない!」
と上司に教わった。
トラブルになりがちだからだ。
そのこと先に伝えながら、彼の宗教の話をきいた。笑って問題ないと言ってた。確かにこの人なら大丈夫か。
カトリックの宗派がここにはたくさんあるらしい。
彼のカトリックの宗派は、十字架を神聖視しないと。そして豚は食べない、牛は食べるけどと言う。イスラムじゃないよと念をおされた。
そんなのあるんだと初めて知る。
フィリピン人同士でも宗教の話はするという。
日本人は稀な気がするので、そう伝えてた、
後から娘から友達にキリスト教の子がいるよというのを聞き、最近の若い子は、隠さないのかも?と。
彼は、ミンダナオ島の出身だった。テロリストが今は島にたくさんいる島だ。
ミンダナオには、鳥やサルがたくさんいるよと、森が素晴らしいし、海が美しくて自然が最高なんだという。
森が大好きと言う。そんな風にいう人は、普通の人では珍しい。
いつか平和になったら行くといいよとすすめられた。
私も興味が湧いた。
森に詳しい理由が、想像を超えてた。
お父さんが8歳の時に、銃で打たれて、それから食べるのが大変で、森で狩りをしていたという。
ウサギは難しいけど、サルは簡単だと。たくさんたくさん獲ったと。
お母さんを助けるために、中学生の時には、ヘアカットも覚えて、同級生にしていたと。
10年前にセブ島に出てきたと。
大型トラックの運転や、救急車の運転、そしてタクシードライバーになって三年と言っていた。
救急車のドライバーは、時々、人手が足りないと救助もしたそうで、銃撃のあとは怖かったと。
日本では銃は警察官しか持てないし、銃撃戦は映画でしか知らないと言ったら、リアルライフだから血もたくさん出るし怖いよ、と、そりゃそうだよね。
中国人の話にもなる。来る時の機内から見えたたくさんの船のことを聞いたら、ほぼ全部中国からと来てるよと。貿易が盛んらしい。
そして今の彼の上司は、中国人の女性だけどとてもいい人だと。
連帯責任みたいなことは言わないし、僕を見て、とても信頼してくれる。三カ月前に新車を使っていいと、自宅まで乗っていいと言われたんだと嬉しそうに言っていた。
信頼関係があるからだね〜、それが1番大事だからわかるよと言ったら、お母さんの教えがあったそうだ。
一度壊したらおしまいだから、信頼関係をしっかり築きなさいと。
いい親子関係だなぁと。
信頼関係の話は、まだしたことなかったが、娘にちゃんと伝えようと思った。
話はそれるが、初めての国に、知らないガイドとツアーを運営する時は相当緊張する。
ガイドが動植物をいかに知ってるか、実際に見つけられるかの技量の良し悪しも、参加者とこころが通じあえるか、また、時間は守れる人かなど、私がどうにもできないことだか、会った時から観察し、間合いを詰め、信頼関係を築いていく。
ダメなら自分でカバーする。
女に言われることを拒絶する男性もいるし、かえってちゃんと働かなくなる事もあるので、いかに伝えるかが大事。
ガイドが最大限に仕事をしやすくしたいと常に思っている。
知識はあるけど方法がわからない人もいる。拗ねてトラブルになったけど、ケンカしたガイドもいる。
必要なことを伝えると大抵怒る。過去、最大に激しくやりあったのは南米チリの男性だか、彼は劇的に変化して、参加者から最後には、初日からこうだったら良かったのにねと言われるくらいになりホッとした。
その時の経験から必要な時は、とことん話をしようと、信頼関係を外国人と築くには、本音のコミュニケーションが不可欠と感じた。
ガイドとは大抵これで乗り切ってきたが、日本の会社内ではダメだったなぁ。話しても反応がないと、対応のしようがない、この方法は日本人向きでないかも。もうそれはどうでもいいけど。
話を戻そう。
タクシードライバーは、ガイドではないが、たくさんの情報を持っている。
いろいろ話していたせいもあるが、好きそうなところを提案してくれた。
帰りに動物園に寄ったり、スーパーにも寄った。
そして、移動中に彼に教わった買い食いがまた楽しかった。
ジョリビーからはじまり、バナナチップス、ボコ(ヤシの餡)パイ、チキンの丸焼き。
彼と1日一緒に長旅できて良かった。
《今回の経験からの極意》
ホテルのツアーサービスデスクのスタッフとタクシードライバーは繋がってる。
フィリピンに来ることがあったら、よいドライバーを紹介してもらおう。
相性のいいドライバーと出会えば、より楽しい旅になる、いい出会いを!