写真の木についた、大きな塊が、鳥の巣。
樹が重そうに見えるが、実際に重くて枝が折れることもあるという。
一羽の鳥の巣ではなく、
何羽もの集団の巣で、
繁殖だけでなく、ねぐらに、そして昼間の日差しよけにも使われる。
巣に近寄ると、出入りするシャカイハタオリの鳴き声でけたたましい。
鳥の大きさはスズメくらいで小さいが、
多数の鳥が高速で、巣の下向きにある出入り口から、
出たり入ったりするのを見てしまうと、
地味な鳥のわりに記憶に強く残る。
巣は、使い続けられ、どんどん拡張されていく。
巣材を口にくわえて、巣に入る姿もよくみた。
100羽、200羽の単位でみんなで少しずつ運んだら、
それはどんどん大きく、重い巣になることは間違い無いだろう。
最大500羽くらいの共同生活をおくり、
完全な一夫一妻制ではなく、共同で繁殖も手伝うと図鑑には説明があるが、
見た目に雌雄差のない鳥なので、
どんな風に調査をするのだろうか。
下の写真を見てほしい。
キリンと比べてもこんなに大きな巣を作る。
巣の塊、コロニーは、
ある樹にだけ、かたまって付いている。
より大きな集団でいたいという習性があるのだろうか?
シャカイハタオリの巣を
コビトハヤブサ、オオイッコウチョウ、コザクラインコなどが使うことがあると図鑑にあったが、
それよりももっと大きな鳥、
アフリカワシミミズクが使っているのを見た。
見つけた人は、
「双眼鏡で巣をのぞいてみたら、鳥と目があって驚いた。」と言っていたが、
まさか、鳥も見つけられると思っていなかっただろうから、びっくりしたに違いない。
巣の中は、
外気温に左右されず、
暑すぎず、寒すぎない。
ナミビアの朝晩の温度差はかなり(30度前後)になることもあるので、
シャカイハタオリの巣の構造が、
快適に暮らすことに役に立っているのは間違いない。
撮影地:ナミビア・エトーシャ国立公園