キツツキが、樹をくちばしで、コンコンコンとつつくと、とてもいい音がします。
キツツキがそのつついて出す音を私は長いこと「ドラミング」だと思っていたのですが、間違っていました。
ドラミングとは、なわばり宣言や求愛、その他のコミュニケーションのために木をたたいて音を出すことで、
キツツキはの仲間は他の鳥と違って、きれいな声で鳴かない(さえずりをしない)ので、その代わりに木をつつき、音を出して同じ役割をはたしているということで、
長いこと、間違って覚えていました。誤って伝えてしまった方、ごめんなさい。
キツツキが、木をつつくのは、
木の中にいる虫をとる時、巣穴をあける時、なわばり宣言や求愛のとき(これこそが、ドラミング)の3パターンでした。
キツツキの体のサイズによって、コンコンとつついた音の大きさが違います。当然かもしれませんが、大きいキツツキは、大きい音がします。
先日訪れていた、沖縄北部のやんばるでは、大きいキツツキは「ノグチゲラ」しかいないので、
朝に大きなコンコンコンコンーが、2連続で聞こえてきた時に、近くにノグチゲラがいる! と心がわき立ちました。
その時は姿が見えなかったのですが、ハッとするぐらいとても大きな音でした。
翌日、別の場所で、キョキョキョキョという声で、ノグチゲラが近くにいることに気づき、
動かずに木を登ってくるのを待っていたら、姿を現してくれました。
その時は、虫を探して木をつついていたのですが、朝に聞いたのとは全然違い、それほど大きな音ではなく、虫をとるためのつついている音で、
前日、聞いた大きな音は、なわばり宣言(ドラミング)のための音なんだと、後から気づいたわけですが、
キツツキがコンコンと木をつついて出す音がすべて「ドラミング」ではない、ということが今回のノグチゲラの一件で理解できました。
「3月繁殖期は、よくドラミングをするから探しやすいよ」という話を聞いてる時に、なんとなく引っ掛かりはあったのですが、
言語化して質問できるほどでなく、長いこと間違えて認識していたことに気づいたのは、やんばるから戻ってからになりました。
今年の3月に訪れた時は、ノグチゲラのドラミングは一度も聞いた覚えがなく(忘れているだけかもですが)、
今回ドラミングを聞いた時間は、朝の8時ごろ。
実際に、観察できたのも朝8時ごろ、というわけで、ノグチゲラは意外にゆっくり動き出す鳥なのかもという仮説が自分の中で立ちました。
バードウォッチングをはじめてから31年も経ちましたが、知らないことまだまだいっぱいありそうです。
ドラミングと、虫探しの際のたたく音、その違いをこれから感じてみようと思います。