草丈の高い草原から
突然、現れてうれしい驚きを与えてくれるサーバル。
15年近くタンザニアに通っていて、唯一サーバルだけが、近年よくみられる様になり、
個体数が増えているのかも?と感じた種。
1回のサファリで遭遇できるかどうかは、
運にかかっているが。
最初の出会いは強烈で、
ふと横を見たら、
静かに置物の様にサーバルがいて、
思わず大きな声を出してしまいそうになる自分を抑えたのを、今でもよく覚えている。
しかも真昼間の出来事だった。
写真の個体に出会ったのは、夕方。
夕方に出会うことが多いが、
午後早い時間の時もあったし、午前中に出会った時も。
結局、出会いはいつも突然で、そしてよくわからないサーバル。
大きな耳を活用し、微かな音を拾って、聴覚で獲物の位置を確認し、
弧を描くハイジャンプで、ネズミ類、鳥、ヘビなどを仕留める。
道路際から草むらに向かっての狩の場合、
ハンティングの仕留めた瞬間は、草の中で見えないが、
あぁ、もうすぐ飛ぶ!
というのは、見ていればわかるし、
緊張感の高まりを感じることもできる。
そして、飛ぶ瞬間のスリリングな一瞬を見ることができる。
いろんな野生動物が移動する時に、人間の道路を使うことはままあって、
種によるけども、道路は使われているのを経験で知っている。
サバンナにある草丈の高い草原からいったん出てしまえば、
サーバルはすごく目立つ。
運がよければ、
突然、私たちサファリカーが走っている道路の前方に出てきて、
向こうからこちらに向かって歩いてきたり、
反対に、私たちがお尻を追うかたちで、歩いている出会いが多い。
道路の端を歩いている最中でも、サーバルの神経は草原の中の音に集中している様で、
私たち人間が、サファリカーで近寄っても、一定の距離をあけていれば、
突然のサーバル出現に興奮する人間が近くにいても、
最初はチラッとこちらを見たりはするものの、
しばらくしたらお構いなしで、草むらの中を気にしている。
そして、時おりのハイジャンプ後、
すぐ出てくれば、狩りに失敗しているし、
ハイジャンプ後、しばらくその場に留まり、草原から出てこない時は、
仕留めて食べているのか?と思う。
そのまま、草むらの方向に入られてしまうと、
サファリカーの上から、しばらくは双眼鏡で草の動きを追って、追うことはできるが、
姿はもう我々には目に見えないので、狩がうまくいったかどうかは想像するしかない。
でも、勝手に今回はうまくいったのね、失敗したのね、
と思うがままにサファリカーの同乗者の皆で話している。
ネコ科の中で、体の比率的に最大の耳を持ち、
細く長い脚をもつ中型のネコ、サーバルは、
独特なほっそりとした体型がとても美しい。
ヘビもかなり捕食していると書籍では読んだので、
ぜひその捕らえたヘビをいつか見せて欲しいと、
一度くらいそんな機会に恵まれたいと心から願っている。
撮影日 2月7日
撮影場所 タンザニア セレンゲティ国立公園