タンザニアにサファリに行くともっとも数多く見る動物がヌー(正式にはオグロヌー)になるが、ヌーは草を求めて1年中、大きな群れで大移動を繰り返し生活している。私自身はマラ川に行ったことはないが、映像でヌーの群れが川を渡り、途中でワニに襲われたり、川からうまく上陸できずに流されて大量に溺死するのは知っていたが、その大量に溺死したヌーは腐敗して、川の貴重な栄養源になっているという記事(ナショナルジオグラフィック)をネットで見た。
どの数値が正確なのか私にはわからないが、セレンゲティ国立公園には100万〜130万等のヌーがいると言われている。(書籍やメディア等によって数字は違うがおよそこのくらいの数字の幅。記事には100万頭以上と記載)
そのヌーが実際に年間にどのくらい死んでいるのかを調べた研究者が推定したところ平均で6,250頭、重さにして1,100トン、シロナガスクジラ10頭分に匹敵するという。(シロナガスクジラは全長25m位はあるのでプールの長さをイメージしてください。一度だけ目の前を通り過ぎていったが、乗っていた船より大きく、そのサイズ感に本当に驚いた)
記事によれば、ヌーがワニに食べられるのはほんのわずかで、生態系への貢献度が高いのは骨。ヌーの骨は完全に分解するのに約7年かかり、ゆっくりと時間をかけて動植物の成長に欠かせないリンを排出する。また骨の表面はバイオフィルムと呼ばれる微生物の膜で覆われていて、これが川の魚の餌となる。川で死んだ動物の骨が何十年にもわたって生態系に栄養を与え続けるというわけだ。そして、ヌーの栄養分の約半分は川に取り込まれているけれど、あと半分の行方は定かではないという、化学分析での数字が合わないそうだ。私は大地に取り込まれてるのではとすぐ思ったけど。
なぜなら、この記事を読んだときに、すぐに「カナダ・ブリティシュコロンビア州の森とクマとサケの関係性」を思い出した。海のサケが森を育み豊かにするという話だった。クマが川で遡上してくるサケを獲り、食べ残すことが、森に栄養を循環させることに役立っているというような内容だったと思うが、今こうやって書いていたら、かなり怪しい記憶な気がしてきた。サケそのものが遡上して産卵後に大量死するから数としてはそちらの方が多いだろうから、森に栄養を育むのなら、サケと森だけでも成り立ちそうだ。お話しを直接聞いた時はすごく感動して忘れるなんて思わなかったが、もう明確に思い出せない。
川、水は、流れていれば、栄養が大地に循環すると思う。研究者は分析して数値を出さないといけないだろうが、私はまた忘れそうなので、備忘録として考えたことをブログに残すことにした。
ブリティッシュコロンビア州の話は、また機会を改めて確認したい。とりあえず、ヌーにまた出会う直前にこのニュースを読めてラッキーだった。ヌーはその姿からあまり人気がない動物でもあるが、近々会った時にはこの話も一緒にお伝えしようと思う。