先日、一緒にアオバズクを観察に行った方に先にお渡したご案内をブログに残すことに。
観察するものは、事前に知っておいた方が、見たときに頭に入りやすいし、
実際に目で見たら、知りたいことも増えて、疑問もわくし、
最近、西表島でリュウキュウアオバズクを見た方もいたので、亜種についても説明。
と言うより「アオバズクはフクロウだと思っていた。」と案内を渡した第一声がそれだったので、
やっぱりそこからかぁと思った次第。
以下にまとめたことは、昨年自分でアオバズクを多数回、複数箇所で観察し、
気になったことは、複数の図鑑やネットで確認し、また各観察地には長く見てきた方がいらしたので、聞いたことなどもまとめて書き記したものです。
分類、種についての説明は、長きにわたり説明する必要があったけども、明確にスムーズに説明できないでいたが、やっとここにきて自分でも腹落ちした気がしたので、書き残すことにした。
違ってたら、ご教示いただけたら幸いです。
アオバズクとは、どんな鳥?
季節・分布
夏鳥、または留鳥。奄美諸島や沖縄諸島では留鳥として生息。ほぼ全国に分布。
環境
平地から山地の林、大木のある神社仏閣などの杜、屋敷林など。
行動
一羽かつがい(ペア)で生活。夜行性で昼間は暗い林内や樹洞などで休息し、夕暮れから活動。ただし、比較的視界の良い場所に止まっていることが多く見つけやすい。
主に大型の昆虫類(カブトムシやセミ類)を捕食、カエルや小鳥なども食べる。
夜間は光に集まる虫を捕るため街頭の周辺を飛び回ることもある。電線やテレビアンテナ、枯れ枝等にとまって鳴く。
樹洞に営巣する。
形態
雌雄同色。羽角(耳みたいな羽)が無く、翼は茶色で細長く、尾羽は茶色で黒い横斑(黒い帯)があり長い。
頭部から体の上面は茶色。体の下面は白地に茶色の太い縦斑(じゅうはん)がある。
くちばしは黒く、虹彩(人の目で言ったら黒目と白目の間の茶色の部分)と足は黄色。
幼鳥は、体下面に縦斑が無い。
サイズ感は、全長(くちばしの先端から尾羽の先端までの長さ)29センチ。翼長68センチ。
鳴き声
夕暮れに2音で「ホッホッ」「ポーポー」と雌雄で鳴いてから活動し始め、夜間も時々鳴く。YouTubeで聴けるので聞いてみたい方はぜひ。
<もっと知りたい方へ>
セミやカブトムシの発生前の場合は、大形のガ、オオミズアオなどを好んで食べる。羽が落ちていることがありアオバズクを見つける手掛かりになる。
青葉が茂る頃に渡来することが和名の由来。
亜種について
九州以北に渡来するのは亜種アオバズク。
奄美諸島以南は、リュウキュウアオバズクが留鳥として分布。
冬の南西諸島では、両亜種が生息する。が、野外での識別は困難。亜種チョウセンアオバズクは局地的に記録がある。
亜種ってなあに?と思った方へ
亜種とは、生物分類上の一階級で、種の下の階級。変種の上の階級。
種として独立させるほど大きくないが、変種とするには相違点の多い一群。
例えば、北海道にいるキタキツネは、キツネの亜種。ただし、種と亜種をわける明確な基準はない。
変種は(現在は植物のみ)種の集団の中で自然に起きた変異(形態、色など)を示すもので、その特徴は継代的に遺伝される。
種の理解に、まず分類の理解が必要。
分類とは
雑然と存在するものを一定の基準の元に整理、仲間わけをしていくことで、1758年リンネが考案した以下の階級を使って行われている。
その階級が、[界(かい)][門(もん)][綱(こう)][目(もく)][科(か)][属(ぞく)][種(しゅ)]で、
例えば、人は、動物[界]脊索動物[門]哺乳[綱]サル[目]ヒト[科]ヒト[属]ヒト(sapiens)[種]となる。
近年、DNA解析が進み、分類が頻繁に変更されている。
ほかの身体的特徴
額や嘴のまわり、頬は白っぽい。丸い頭と黒っぽい顔から頭巾をかぶっているように見える。
翼と尾は長めで、翼下面にはタカ斑模様が明瞭なため、飛翔時にタカ類と混同されることがある。夜に飛んでいるときにフクロウ類だと思えないと感じたことあり。
雌雄の差を強いていうと、オスの方が翼長が若干長く、体下面の縦斑が太くて濃い傾向がある。
世界的にメスの方がフクロウの仲間は体が大きい。
鳴き声は、細かいことを言うとオスとメスで異なる。オスが「ホッホッ、ホッホッ」。メスは「ホゥホゥ」と鳴く。
小ネタ
アオバズクはフクロウの仲間ですが、「フクロウ」という鳥がいるので、混乱しませんように。
フクロウは、違う種の鳥。
フクロウは、全長50センチとずっと大きく、虹彩は黒褐色。
鳴き声、オスは「ゴゥホウ ゴロスケ ゴゥホウ」メスは「ギャーッギャーッ」。これもYouTubeで聞いてみてください。
足指に毛がある。
*最初の写真が、アオバズクの幼鳥。巣立ち8日目のヒナ。