夜、タンザニアのロッジの屋根裏からジェネットが現れた。
チェックアウトの時に聞いた話では、このロッジでは1960年代からジェネットが現れていて、代替わりしながら同じ場所に来続けているという。
ジェネットを見るのは、これが初めてではない。
以前、ゴマバラワシに食べられている個体を見たことがある。
ただそのときは、何の動物かすぐにわからなかった。
ガイドに聞いて「ジェネット」と教えられ、
その時初めて名前だけを知った。図鑑で見ただけの動物だった。
今回、初めて生きて動く姿を見た。
—
この日、私は1時間ほど同じ場所にいた。
突如始まった紛争で帰りのフライトがキャンセルになり、新たな航空券を手配していた。
チケットをダウンロードしようとしたが、Wi-Fiが弱くて進まなかった。
その間、ジェネットを見続けていた。
あのトラブルがなければ、ここまで観察することはなかったと思う。
—
21時になると餌が置かれた。
その少し前から子が現れ、母親はそれより前から屋根の上で待っていた。
時間を把握しているようだった。
餌が置かれると、母親が取り、すぐに猛ダッシュして消えた。
子はそれを追ったが、自分では餌を取らなかった。
体は親の7~8割ほどで、離乳はしているが、まだ採餌は依存している段階だった。
この時期の子は、親の行動を見て学んでいる。
—
ジェネットはネコに似ているがネコではなく、ジャコウネコ科の動物だ。
木の上でも地上でも動き、常に捕食される側にいるからか、動きは速い。
—
時間や場所、行動は、親から子へ受け継がれていく。
代替わりしても、このロッジは餌場の一つとして維持されている。
—
名前だけを知っていた動物が、動きとしてつながった。
何度もランチを食べていた場所なのに、泊まったことはなかった。
だから夜行性の彼らを見ることもなかったし、ロッジのロゴにジェネットが使われている理由も、今回初めて理解した。
この親子は何代目なんだろう?
そう思うと、このロッジの時間の流れが少し違って見えた。
名前だけだった動物が、ようやく動きとしてつながった。
その場ではわからなかったことが、何度かの経験のあとで、ふとつながることがある。
こういうことは、アフリカでは何度も起こる。


