今年は雨季の入りが早く、まとまった雨が続いていた。
普段は1月下旬から2月上旬にかけて訪れることが多いが、今回は少し遅く、2月下旬から3月初旬のタイミングだった。本来は3月末から本格的に雨が増えると聞いていたが、今回はすでに雨季に入ったような状態で、毎日のように雨が降っていた。
降り出すと一気に強くなり、少し怖さを感じるほどの雨だった。
その影響で、普段は乾いている場所にも大きな水たまりができていた。そこで思いがけないものに出会った。カエルだった。
それも一匹ではなく、かなりの数が一斉に出てきていた。
これまで同じ場所に何度も来ているのに、カエルを見た記憶はほとんどない。どこにいたのかと思って調べてみると、乾季のあいだは土の中に潜り、条件が揃うと一気に地上に出て水辺に集まり、短期間で繁殖するタイプらしい。
いわゆる「爆発的繁殖(explosive breeding)」と呼ばれる現象で、大雨のあとに突然大量に出現したタイミングに居合わせた様だった。
アルーシャ国立公園でも、似たような場面があって、
道路を走っていると、ある区間だけで一斉にカエルが動き出し、車に反応して逃げていった。どこでも見られるわけではなく、水に近いその一帯に限られていた。


ンゴロンゴロでは大きな水たまりに集まっていたが、場所は違っても、同じような条件のところで同じようなことが起きていたように見えた。
実際、その水たまりの周りには大型の鳥が集まっていた。アフリカトキコウやズグロアオサギなどが入り、カエルを次々に捕らえていく。
捕まったカエルはそのまま飲み込まれる。圧倒的にカエルの数が多いせいか、見える鳥みんなが食べている。
正直に言うと、見ていてつらさはあった。
ただ同時に、これまで一度もまともに見たことがなかったカエルを、これだけの数で観察できたのも事実だった。
じっくり観察するのは難しかった。結果的に見えたのは、捕食されている個体ばかりだった。
それでも、このタイミングでしか出会えない存在があることはよく分かった。
雨の入り方ひとつで、見えるものは大きく変わる。
どのくらい前に雨が降ったか、その場でどれだけ降るかで条件はまったく変わる。
同じ時期に来ても、同じ光景にはならないと思う。
今回は、そのタイミングに当たった。




