【みきの観察ラボ】ってなに?って思われたはずですが、
以前、思い立ったときに、わーっと書いたのがこちらです。
端的にいうと、
自然の中で、生きものを探しながら、出会うすべてのものに興味や好奇心をもって時間を過ごすことに魅力を感じる方、
私と一緒に自然に入ること一緒にいることに価値を感じる方と、観察や旅の時間を共有したいと感じて始動したもので、
やることは、観察や自然への旅です。
ただ、今までのものとは違います。
そう言われても想像しにくいだろうと思うのですが、
これまで私と一度でも旅をしたことがある人は、
あれほどまでに生きもの観察に没頭・集中するスケジュールではないとお伝えします。
今までは、野外観察の経験豊富な方をご案内することが多かったのですが、
そういう方ばかりでなく、
自然の旅に行ってみたいけど、どこに行っていいかわからない方、
生きもの(鳥、植物、カエルほか)観察に興味はあるけど、したことはなくやってみたい方、
探鳥にまだ慣れないから教えてほしいという方などに向けて、
昨今の状況で、不特定多数の方をご一緒に案内するというのに、私は違和感を感じるので、
基本、知人友人の少人数グループ、またはお一人で案内することを考えて、動きはじめました。
今回は2名の方と出発予定でしたが、ご家族の都合で残念ながら前日に行けなくなってしまったので、
マンツーマンで行ってきました!
その内容は、こんな感じでした。
河口湖駅で合流後、
富士山五号目手前の奥庭自然公園に行って散策。
富士山の斜面を望遠鏡でのぞく、カモシカ調査中の方とお話しし、
奥庭荘では、鳥が来るのを待つものの、人の出入りが激しく落ち着かず、
団体さんが来るとわかり昼食は諦めて、ヒガラの水浴びを1度見た後、
特製コケモモジュースを飲んで、早々に三ツ峠登山口へ移動。
708号線に入ってすぐあたりのところで、なんとカモシカが!
こんな低いところ、しかも道路間際に出てくるなんて想定外で、
調査してた方から「(富士山の)山梨側には3〜5頭いる」と聞いて、
それしかいないの? と思ったばかりなのもあって、遭遇に驚きつつ感動。
登山口に到着後、荷物を最小限に減らし、三ツ峠山荘に向かって歩き始める。
ゆっくり登っていると、カケスが何度も現れる。
道中、半分を過ぎた頃から、トリカブト、紫色の花が見えはじめ、
赤い実のついた木や、枯れた茶色のバイケイソウも目に入る。
途中も鳥、カラ類がよく鳴いていたが、
三ツ峠山荘到着直前に、ヒガラ、コガラ、エナガ、ゴジュウカラの混群が実を食べるのをしばし観察。
初めてのバードウォッチングということで、朝に双眼鏡の使い方を教えるところから始めたけども、
Sさんは、スワロフスキー双眼鏡の見え具合に感動し、あっという間に使いこなし、
ピントを合わせると奥まで全部見えることにいたく感動しながら、自分で鳥を見つけ、よく見てました。
日帰りで十分に行ける山だけど、最初から山荘に宿泊の予定で、
到着後は、荷物を置いて、天気もいいし、時間を気にせず、山頂までの道のりをのんびり散策。
日の暮れるまで、浮世絵みたいに美しい富士山を見つけては喜び、撮影し、富士山がいる様々な景色を味わった。
大きな花を咲かせるフジアザミはまだ咲いているものもあったが、咲き終わった株には種が出来ていて、
コガラが花序にぶら下がり、ほじくる様に何度も食べにきていた。
よく見ていると、種だけ食べて、綿毛を出していた。
エナガとコガラの群れは、山頂付近の木の実を別々に食べに来て、どちらもゆっくり探鳥できた。
17時前頃だったが、10月の日暮れ前に標高1785mの場所で、こんなにも鳥が見れるのかと驚いた。
前日はガスって悪天だったそうで、好条件が重なったに違いないが、
たびたび目の前に現れ姿をよく見せてくれた小鳥たちは、とても可愛かった。
宿に戻り、富士山が正面に見える、お部屋に一度入ってから、お風呂へ。
お風呂から出てきたら、今度は、三日月と富士山と街の光が美しい夜の景色に。
夕食後、夜は、山荘のご主人、中村光吉さんと交流。
写真家のお父様の富士山の写真集を見せていただきながら、お話を伺った後、
画像と共にランの解説をしていただき、その後、いろんな話をしてからお部屋に戻る。
寝る前に窓を開けて外を見ると、なんと、富士山は夜もそこにしっかり見えていて、そんな経験はなかったので私が驚愕。
秋で空気が澄んでいるのか? 雲がないと、昼間だけでなく、一晩中、富士山は見えるのだと気づく。
寝る前に、鋭い動物の鳴き声がして、翌朝、シカだと確認する。
中村さん親子が、シカ除けの柵を簡易的にも伸ばすためのものを作っていた。
シカが山の上に入り混む様になったので、カモシカが下に降りていくという逆転現象が起きているとも教わった。
カモシカに遭遇できたのは、千載一遇のチャンス!と思ったが、そういう理由もあって出会えたのかと知る。
以前は見にくかった動物に出会えた理由が、こういう理由だったのかとまたちょっと悲しくなったが、気を取り直す。
翌朝、起きたら、窓の外は白い雲が一面ひろがり、厚い壁の様で、富士山はどこ? という景色に。
三ツ峠山荘に泊まると、早朝に見える富士山が美しいとあらかじめ伝えていたけど、
「こんな日もあるよね。」とSさんと笑う。
前日、2日分以上の富士山を間近に見て、パワーはフルに受け取った感じだった。
7時から朝食をとって、朝食後も中村さんとおしゃべりをしていたら、8時半過ぎになる。
出る間際に、山荘の外のベンチにルリビタキの若いオスが飛んできて、山荘内から落ち着いて見る。
山荘に来るクマやシカなどの動物から守ってくれる、甲斐犬のペアと3ヶ月前に生まれたオスの子供ゴンJr.にもサヨナラをして、
下山開始。
前日より湿度ある空気なので、トリカブトの色も美しい。
帰りも鳥が前日より少ないものの、お天気のわりに鳴いていて、時々、バードウォッチングしながら、
のんびり降りてきて、無事下山。
下山直後に雨が降り始めたので、休憩がてら、双眼鏡3種を比較して、見てもらいながら、雨待ちする。
Sさん、動体視力がよくて、生きものにすぐ気づくいい目をお持ちでした。
カモシカも気づいたのはSさんだし、これからたくさん遊べそう。
太宰治の富嶽百景に出てくる、天下茶屋による計画だったものの、富士山は見えないし、お腹もまだ空いていないので、
場所を確認してから、河口浅間(あさま)神社へ。
青木ヶ原樹海ができた富士山の大噴火の鎮祭を行うためにつくられた神社で、
御祭神は、木花開耶姫命コノハナサクヤヒメノミコトと知る。
境内地には、見事な巨木が多数あり、
5号杉・6号杉、両柱杉、男女杉とも言う神樹が、樹高47.5mと42.5mと説明があり、
それを見て、私は熱帯雨林の樹冠に行ける、キャノピータワーに頭がトリップしたので、
そんな話と、熱帯雨林では、森が立体構造で生きものに使われていることを少し伝える。
熱帯雨林と違って、森ではなく、2本だけの高木が立っている状況に驚異を覚えた。
その後、車に乗り、母の白滝へ。
滝を双眼鏡で見るなんてことはしたことなかったが、Sさんを真似てして見てみたら、
滝の中にいる気分になった。そして、マユミかツリバナか確認ができなかったが赤い実があることにも気づいた。
その後、MOOSE HILLS BURGERで、ハンバーガーのランチを食べて、旅は終了。
その後、河口湖駅で解散。
こんな感じの1泊2日の自然の旅でした。
私は、ペーパードライバーなので、車の運転はSさんにしていただきました。
ドラマティックな2日間で、神さまのはからいを感じずにはいられない時間となりました。
今回は、一緒にいくはずだったTさんに状況を伝えたくて、
そして記録になるので、詳しく書いてみました。
三ツ峠山荘に宿泊して自然を楽しむ旅は花に合わせて、6月、8月、9月にも計画できますし、
秋のこの時期もいいので、10月までは行けそうですね。