3月下旬から4月にかけて、沖縄北部やんばるは春をむかえ、一年中ほぼ濃いグリーンの森に、その時期だけ、明るい黄緑の色が差し込まれます。
明るくなったやんばるの森をブロッコリーの森と表現し、写真が掲載されているのを見たのは、新潮社の雑誌SINRAが初めてだったと思います。SINRAは、1994年〜2000年まで発行されていた自然系、動植物系雑誌で、当時、かなり愛読していました。
実際にやんばるの春を訪れたのは2017年が最初で、2020年3月にもやんばるに訪れましたが、今年が一番いいタイミングで5日間の滞在中、日に日に森が黄色くなるのを目の当たりにしました。
黄色く見えるのは、やんばるの森を構成する主要な樹種、照葉樹林のスダジイ(イタジイ)が、花を咲かせ、新芽を出すので、普段より明るい黄緑色の葉や花が見えるからです。
沖縄には夏に行く人が多いと思いますが、春のこの時期は、夏と違って暑すぎず快適です。3月下旬に沖縄を訪れる機会がありましたら、北部のやんばるまで足をのばして、ぜひ森を眺めてみてください。
照葉樹林の森はほかでも見ることができ、宮崎県の綾に4月10日頃に訪れたことがありますが、その時はちょっとまだ早くて、濃い緑の森でした。
木の花の開花も、毎年ずれるのでタイミングを合わせるのは難しいですが、だからこそ当たると嬉しいですね。
余談ですが、2021年3月15日〜19日は奄美大島の照葉樹林がちょうど開花期にあたり、毎日森が同じように黄色くなっていきました。ただ、2021年の奄美大島は、雨が長いこと降らない乾いた年だったと後から聞いたので、例年とは違うのでしょう。去年、訪れた時は、タンカン(柑橘類)はそろそろ終わりの時期と言われましたが、タンカン農家さんで飲んだフレッシュジュースがあまりに美味しくて驚いたことを書いていて思い出しました。人生初というレベルでした。奄美大島にも春に行ったのなら、森を見て、タンカンをぜひ食べてくださいね。