ボルネオ自然の旅 写真 2023年9月 No.2 ズアオヤイロチョウと鳴きかわす

旅の2日目、生きもの観察の朝は早い。といっても熱帯なので、明るくなるのは遅いので、6時前だと暗すぎてまだよく見えない。

朝6時から朝食を食べてからの出発。

この日は、なぜか朝の3時過ぎにはギボン(ヒガシボルネオハイイロテナガザル)がよく鳴きはじめ何度も起こされた。自分のテリトリーを主張するコールだから仕方はないけど、滞在中、こんなに朝早く鳴いたのはこの日だけで過去にもそんなに早くに鳴いて辛いと思ったことはなかったから、何か訳があったのかもしれないと後から思う。

朝の観察は、車を降りて少し歩く予定もあったので、現地で貸してくれるブーツとヒル避けソックスを履いての完全防備で出発。


シワコブサイチョウの翼の音は、爆音で、バサバサと音がする。鳴き声もかなり独特。かなりシャイで写真を撮らせてもらえず、隠し撮りみたいにして撮れたもの。高い木の上、樹冠にいることが多いサイチョウ。


シャイな鳥もいるけど、好奇心旺盛な鳥もいる。クビワヒロハシは、ピンクや黄色や水色のカラーリングとその愛嬌ある顔が可愛くて人気。鳴き声も一度聞いたら忘れにくいので、その存在がすぐわかる可愛い鳥。

写真の鳥が小さいのは、トリミングしてないのと、森の中で道路から木を見上げるようなところから探鳥しているせいで、それなりに遠いからです。でも、写真を撮らせてくれるだけ、優しい鳥だと思って撮影しています。ちなみに自分のレンズは300mmの単焦点です。

この日のメインイベントは、朝にやってきました。

ズアオヤイロチョウの美しい雄が、現れてくれて、しばらく観察できました。今回の旅が初の探鳥の方がいたのですが、鳴き交わしているのを間近で観察して感動していました。

バードウオッチング歴の長い方も、私も現地ガイドも感動的な時間でした。

初めは地面に現れてたのですが、何度も出てきてくれて枝の方へ、その後もゆっくり観察できました。

午前中は、他にもキツツキ、キヌバネドリ、リス2種ほか色々見ましたが、ズアオヤイロチョウとの出会いが凄すぎて、いろんな妄想したり、美しかったと何度も言いあったりとメンバー全員、興奮して帰りました。

4時間ぐらいの朝観察の後は、ランチまで休憩。真剣に探すと頭と目がすごく疲れロッジに戻って 私は1時間ぐらい寝ました。そしてランチを食べてまた休憩(お昼寝)して、16時半から再度、車に乗ってサファリへ。16時からおやつも出してくれます。

なんで夕方までお休みかというと、15時だとまだ日がサンサンと照ってて暑くて耐えられないからです。

1日に1回スペシャルなことがあれば、自然観察の旅だと御の字なのですが、この日は、夕方も夜のドライブもなかなか派手でした。

なんと、オナガサイチョウが現れました。鳴き声が笑い袋みたいで独特なので、鳴き声だけでその存在に気づけるのですが、2020年3月に来た時に鳴き声を聞いてびっくりしたのですが、今回はその姿を見ることができました。

しかもペアで飛んでその姿を、長い尾を見せてくれ、果てしなく遠いので写真を撮っても無理と思いつつも、一度は眺めつつ、2回目の時はもう最後かもしれないと思って、カメラを向けました。ほとんど写ってないに等しいですが、メスの白い喉がわかるし、私には大事な写真となりました。

自分がこの世界に入って1990年末〜2000年初頭頃には、マレー半島でそれなりに見られていた鳥でした。絶滅危惧種になってみるのがとても難しくなるのに20年ぐらいでなってしまいました。現地ガイドも、鳴き声は聞けるけど、姿を見るのは本当に稀で、今年は3回目と言ってました。

その後、ちょくちょく出てくれるカンムリワシが、近距離で。

ここでは比較的見やすいシロクロサイチョウも雄2羽、雌3羽で、突然飛んできて、木の上に止まる。移動して、また見やすいところに止まってくれ。サイチョウの仲間の中では、唯一肉食だとガイドが説明してくれ、図鑑に書いてないことなので、どうして知ってるの?と聞いたら、研究者が巣箱の中身を調査していて、食べ残しでわかるとのこと。他のサイチョウも時々は昆虫や爬虫類を食べることもあるようだけども、基本は果実食です。

次はサイチョウが、アブラヤシの木に出てきてて、いい感じの高さと距離でしたが、アブラヤシの実を食べると聞いて納得。その場面を自分は見ていませんが、食べに来ていたはずと。

アブラヤシの実は、ゾウ、サイチョウも食べる。保護区とアブラヤシの農場が隣接しているこの場所は不思議な感じがするが、夜にアブラヤシの農場にネズミなどを食べにネコ科やジャコウネコ科、フクロウ類が来るという。行ったり来たりすることで、人はドライブすることで、動物に出会うチャンスをもらっている。

18:10 ゾウが現れたと、数台のサファリカーが集まってガイドが車を降りて探している。ちょっと騒然としているが、よく見えない。でも草を倒す音は聞こえる。でもこの日は、夜も観察があるので時間切れで探すのを諦めて帰り始める。


18:30 オオフクロウ 突然飛んできて頭上の木に止まった。まだ少し明るいのに、もう活動時間なのねと思う。

18:45 ロッジに戻って夕食をとり、20時から夜の観察に出発。なかなかに忙しいがワクワクがとまらない。

出発してすぐに、木の上にボルネオミスジパームシベットが2頭でいるのを見つける。目が赤く光るので、探しやすいと言えばそうだが、夜の観察はギャンブル。夜は撮影が難しくて、見れても撮れないことが多い。距離が遠いと全然ダメで。ムササビとか木の上のものは撮れていないので、撮れてるものだけで紹介するとあっという間に終わりそうだけど、仕方ない。

マレージャコウネコ。ジャコウネコの仲間は、ネコとイヌの間ぐらいの生き物で、ボルネオでは比較的、出会いやすい生き物で、樹上性のもの地上性ものなど環境に適応して種類も多い。

アオハウチワドリが草の先で寝ていた。この鳥、かなり低いところで寝ていて、大丈夫なんだろうかと後で話題になった。

21:06 オオアカムササビ(写真なし)尾の先が黒いムササビ。このムササビが最も数が多く、頻繁に見かける。翌日、このムササビの大滑空を日暮前に見ることができた。100メートル以上飛ぶ姿はかっこいい。ビデオには撮れたから、YouTubeに出せたらいいけど。

ミズオオトカゲが木の上でよく寝ている。このトカゲ1メートル以上はあるので、日本人的にはちょっと驚くサイズのトカゲだけども、ボルネオだと出会いはままある。ただ、道路で突然出会う時以外は、木の上で寝ている姿しか見ないが気持ちよさそうで、飼ってるレオパのレンを思い出してしまう。

マレーワシミミズクが木の上に止まっていた。ガイドが照らした木にいて、お目々ぱっちりで、眩しかったことと思う。

そして大型フクロウ3種目、マレーウオミミズク。川の中で魚を狙っていた。後ろ姿しかこの時は撮れなかったけど、10月に別の場所で近距離で撮影できたので、気になる方はしばらくまってもらえればお見せできます。

大抵は、このマレーウオミミズクだけを見る夜が多いけど、この夜は特別で大型フクロウ3種が全部出てきて、すごい夜でした。

朝はズアオヤイロチョウとの素晴らしい時間を過ごし、

午後はオナガサイチョウ、シロクロサイチョウ、サイチョウとサイチョウとの時間、

夜はシベット数種、マレージャコウネコには近距離で数回、大型フクロウに出会え忙しい1日でした。

そしてロッジに戻って、カエルがドライブ中よく鳴いているのでレストランそばの池で探してから1日終了。ヤモリはたくさんいます。たくさんいると、写真を撮るのを忘れてしまいがち。でもこの日は疲れすぎて、もういいことにしました。

メッセージ

世界のフィールドを歩き生きてきた私は、移動して自分の知らない世界とつながり、自然や生きもののエネルギーでパワーチャージをしています。クリアな自然の中に身をおき、動植物を感じようとすることは、自分のコアな部分につながり、瞑想しているような落ち着いた時間を過ごすことができます。私とそんな時間を共有してみませんか。

この記事を書いた人

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橋場みき子

生きものと世界の大自然、旅や愛爬ヒョウモントカゲモドキ、ときどき娘のことなど書いています。動植物大好き、自然の旅案内人として、知人・友人に案内しています。2020年3月まで世界の動植物に会いに行く旅を手配・案内する生活をつづけて20年以上、1年に地球5周を移動するような生活でしたが激変。2021年9月私は生きものとのつなぎ人と自覚し復活。鎮まりながら多動し、今日も生きています。

イベント情報

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国内で観察撮影した写真を見ていただき、その時の様子をお伝えしています。

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