鳥がたくさん出過ぎてクレイジーモーニングだ! とバードガイドに言われた日の午後の記録。午前に引き続いてミラクルだった。順を追って書いたので、ランチの後の話から続く。
オープンカフェでのランチ兼ひと休みを終え、車で五分とかからない宿に戻ってきて14時過ぎ。皆バテバテだったので、次の出発は16時と30分遅くした。私は急いで部屋に戻りお昼寝した。気を失いそうなくらい眠かった。
ひと眠りして、気合い入れて準備をして出発。参加者の皆さんは、疲れたらいつでもパス(観察に行かないで部屋でゆっくりする)は出来ますので、ご心配なく。
公園の裏口から入って、目的地へまっすぐ向かう。鳥は色々見えるが、足取りと雰囲気は重い。まだ日差しは強いが、日は陰ってきていて、森の中に入るとだいぶ暗い。暗い道を歩いていたら、30分出発を遅らせたのはまずかったか? これじゃ見にくいかも? と一瞬そんな考えがよぎったが、もうどうにもならないし、夜の観察もあるから無理は禁物だったからよしとしようと思いながらも、だいぶ暗いなぁと感じながら歩いていた。
でも、心配はいらなかった。奇跡的に観察地についたら、クロアカヤイロチョウはすぐにやってきた。
その場所で既に90分くらい待っていた台湾人のグループに合流する形で私たちはその場所に行ったのだが、私たちが行って5分もしないうちにクロアカヤイロチョウは現れた。初めての場所で、様子を伺っていて、自分はまだカメラを出す前だった。
このクロアカヤイロチョウも、数日前に出会ったズアオヤイロチョウと同様に何度も現れては、ちょっとずつ移動しながら姿をよく見せてくれた。観察地について落ち着く間もなく本当にすぐに出てきて手品のようで、え?え?え? そんなことあるの? と思いながらも、目の前で動く美しいヤイロチョウに一気に興奮した。ズアオヤイロチョウよりも近距離で、表情も読めるくらいゆっくり観察できた、iPhoneで動画も撮れるくらいだった。ただ暗くて、写真は全然良くないけど。でも見えるだけで十分。台湾人の大きなカメラの人はよく撮れてた。このポイントには2羽ヤイロチョウがいるけど、1羽がよく出てきてくれると。
それにしても、人懐っこいというか、諸々わかっているだろうに場所を変え何度も現れてくれた。他のグループもいて総勢10名以上はいたので、シャッター音がずっとなっている状況だったけど、自分はある程度撮ったら双眼鏡で見ているのが好きだ。いい写真が撮れる条件じゃないというのもあるが、双眼鏡の方が動きが追えるのでよく見える。ひたすらかわいい。目がぱっちりなので、愛爬レンにも似て見えてくる。あーすごいなぁ、こんなこともあるんだなぁ、それにしてもすごいなぁー、ぴょんぴょんしてるなぁと、心の中でぶつぶつ言いながら魅入ってた。
で、いつもこうなの?と聞いたらやっぱりそんなことはなく、2時間待っても来ない時もあるよと。それはそうだ、野鳥なんだから。今日はいい意味で不思議なことが続く。感謝しかない、ありがとう。
で、またヤイロチョウを見て興奮して熱くなり、ホクホクしてたら、またほんの少し先で、キヌバネドリの声がして、やっと姿をゆっくり見れました。バラエリキヌバネドリのほうが、よほど見やすそうなのに、今回は落ち着いて皆がなかなか見れず、すぐ飛ばれることが多く、日の光がギリギリ足りるくらいのタイミングで観察。鳴き声は体に似合わず繊細で小さい。バラ色の襟は見えるけど、背中側から見ているので、真っ赤なお腹が見えず派手に目立っていない。でもピンク色の美しい羽があるのはオスだ。行動記録にメスと書いて送ってしまったけど、メスには薔薇色の羽はないので間違いです、ごめんなさい。
移動して高さ20メートルはあるキャノピーブリッジを歩いていると、クロサイチョウがいると言われ、その直後、怪獣みたいな声がして別のところから、他のクロサイチョウが眼下をビューッと飛んでいった。キャノピーブリッジの上にいるからこそ見れた、サイチョウが飛ぶのを見下ろすような珍しい状況だった。
その後は、18時からの夜間観察のガイドをしてくれる、公園ガイドとの合流ポイントへ向かう。そこは橋の上で、オオアカムササビが、巣穴から出てジャンプするのを眺めながら来るのを待っていた。オープンなところなので、まだギリギリ写真も撮れる。ムササビを上から撮影できることもキャノピーブリッジがない限りは無理で、いつも下から見上げてばかりのムササビも目線で見れて観察しやすい。
頑張れば、ムササビが飛び立つところを写真におさめられそうだが、午前中の疲れとクロアカヤイロチョウの興奮で疲れ、小さいベンチに座ったら動けなかった。夜間観察の2時間は歩き続けるだろうから、省エネモードにシフトしたのもあるが、ただ座っていたかった。さすがに体力の限界が近いかもと思った。
この日の夜間観察は低調に終わり、期待していたソローロリスやメガネザルは見れなかったが、2時間探すトレーニングにはなった。哺乳類はそもそも難しい。スローロリスは目線より上の高い位置、メガネザルは下と探す高さの確認ができた。そして、メガネザルは目が光に反射しないと過去にブルネイで教わったが、そんなことないだろうと言われ、結局その話は結論つかず。公園のローカルガイドは、影で探してると。メガネザルは森の込み入った奥の方の細い枝にくっついてるから、陰で探すというのは、ポイントだ。
夜の成果は、ヘビとハゴロモの仲間(セミに近い)と寝てたカザリオウチュウだったが、Tree Frogがずっと鳴き続けていて、虫の様だが、これがカエルだとわかって聞きながら歩くのは気持ちがよかった。木のウロの中にカエルがいるのを妄想すると楽しくなれる。ヘビはあくびをしていたのが撮れて面白かった。実はライトが明るすぎて、リアルではよく見えず写真であくびは確認した。名前はまたInstagramで投稿の際に出そう。写真はブログに投稿するのにサイズを小さくしているので、画像が粗いし、そもそも夜はピンも甘いものが多いですが、写真家じゃないし、これからはこんな写真でもどんどん出していこうと思ってる。
遅刻してきた公園ガイドだったが、終わりはジャスト20時に公園出口にちょうど戻って終わらせた。やればできるのねと思うと笑える。「哺乳類が見せられなくてごめんねと、でもヘビと寝てる鳥見たよね。」と言って帰って行った。
鳥ガイドのGは、ほかのグループも哺乳類は見てないと確認してきた。今日の天候その他の条件はそれらに合わないのねと私は思った、実際ちょっと寒すぎる気がした。哺乳類は、自分がムッとするくらいの暑さがあるとよく動くと経験上感じてる。自分が寒いと感じる日は結果がよくないことが多い。
宿に帰って、すぐ夕食をとって部屋に戻ろうとした頃、とても激しいスコールがきて、部屋に帰れないほどで1時間ぐらい雨待ちをすることになった。でも、移動する気に全くなれないほどの強い激しい雨で、最近の日本の雨も時にすごいが、やっぱりこちらのこのスコールはすごいパワーだよな、観察中じゃなくてほんとよかったと改めて思い眠りについた。