ボルネオ自然の旅 写真紀行 2023年9月No.5 ブタゲモズとオランウータン爆発

終わってみたら長い1日だったけど、すごい出会いが多くて、長さも気にならないというか、不思議な一日だった。ガイドがクレイジーモーニングというくらい、キャノピータワー(塔)には鳥がたくさん来たし、普段こない鳥が来てると。タワーを降りて、橋を歩いていたら、ここに来たら皆が見たいというブタゲモズが飛んできた。そうしたら、オランウータンも現れて、私たちのいるキャノピーに降りて橋をまたいでまた森に入って行った。至近距離でオランウータンに近づかれた。そのとき、まだブタゲモズは近くにいて、オランウータンが去ったので、今度は急いでタワーに登って至近距離で観察しに行った。合計30分くらいは観察していたと思う。ブタゲモズは移動してくる時は鳴いていてすごくわかりやすいが、一旦落ち着くと鳴き止んでしまい見つけにくくなる。若鳥は食事中だったし、立派な成鳥は羽繕いをしてリラックスしてしばらく同じ場所にいた。とても幸運だった。この公園はとても見やすいんだねと終わってからガイドに話しかけたら、そんなことはないラッキーなだけと聞かされ驚いた。何も、ブタゲモズとオランウータンが一緒に出なくてもいいのにとちらっと思ったけど、どっちもちゃんと観察できてすごい時間だったのだ。あまりに出たので、見るのと記録が忙しくキャノピータワーの鳥は落ち着いてた鳥しか撮影していない。アカハシゴジュウカラはきれいなだからぜひ撮影したかったけど、つい見続け撮れていない。と一気に書いてしまったので、次は写真を一気に。

駐車場から探鳥はスタート。クロアカヒロハシ。嘴の水色と黄色がそして体のシックなツートンカラーがいい。

アオノドハチクイ、よく見る鳥だけど、比較的近距離で撮影。 頭の茶色い、成鳥の雄。雌は緑の頭。

池の中でミズオオトカゲが泳いでいる。舌の出ているタイミングを頑張って撮影。

ズグロジチメドリという、普段は森の中にしかいないような鳥が、なぜかベンチの下を行ったり来たりしてる。クレイジーな個体!と説明を受けるが、この辺から、クレイジーな1日が始まっていたのかもしれない。鳥やさんが見たい鳥の一つで、いつもこれを見せるのに大変な思いをすると聞く。メンバーに誰も殺気がないと色んな鳥がよく出てくる。

ここからは、キャノピータワー(高さ30m位)の上からの観察。コアサクラサンショウクイが、緑虫をペシペシして食べ、ちょっとくつろいでいた。

キャノピーに出る、チャノドコバシタイヨウチョウ。よく似たノドアカコバシタイヨウチョウは、公園の花にやって来る種。確かに喉が茶色。タワーからだと陽が当たっているので、光沢色もきれいに映るのがいい。

ミドリヒメコノハドリ、喉が黄色くないから雄。これも樹冠(キャノピー)に出る鳥。

ちょこんと座っていて、か細い声で鳴いていたシロスジヒヨドリ。近すぎて、iPhoneでもビデオが撮れたくらいだった。キャノピータワーってすごい。

コベニサンショウクイ。この鳥もいつも下から追っかけることになるけど、上からだととても見やすい。赤は雄で、黄色が雌。

アカメヒヨドリだと思うが、記録から落ちていて、図鑑を見ているが、1ヶ月経つともう確信がない。

チャイロゴシキドリは、固有種。しかもいい声だった。ころっとしているフォルムでゴシキドリはどれも好きだけど、今回はこの種も初めて地味可愛いと思った。

キャノピータワーから降りてきて、橋を歩いていたら、下が騒がしくて橋の上から覗き込んだら、小鳥が集まってきて騒いでいる。結局見つけられなかったけど、ヘビ、またはフクロウがいたのではないかと話した。みなで鳴き叫んで盛んに警戒しあってる。それはiPhoneで映像に撮ったのでYouTubeに。それにしても、小鳥が一斉にワーワーいってる様子を上から覗いてみてるのは不思議な感じがした。慌てふためいている感じがよくわかった。橋も地上から20メートル位はあるところにかかっているからこれが見られたわけだ。

コノハドリの雌も盛んに鳴いていた

ノドアカコバシタイヨウチョウも飛んできてた。他にも色々きてたけど、ちゃんと写したのは2種しかない。

そして、また別の場所のわりと低めのところで、チャムネバンケンモドキと

クリイロバンケンモドキの雄。バンケンモドキもクリアなところになかなか出ないので、双眼鏡で見るにはみれるけど、写真はいつもひどい。でも色が鮮やかで美しく、比較的映ったのを出しました。

ブタゲモズ 嘴がモズみたいだからそれはいいとして、ブタゲというのはちょっとなぁと。不思議な羽の感じだけど。ブタも身近にいたし、愛はあるが、この鳥の名前に使うのはなんか違う気がする。ブタのこと知らない人がつけたのだろう。

樹冠に生活しているせいで、その存在に気付かれず、2000年頃に認識された鳥。常に家族行動で移動し、鳴き声はけたたましく、騒がしい不思議な鳴き声。キャノピータワーができて、こういう高い樹の上で生活していた鳥がよく観察できるようになった。ここの公園のキャのピータワーは頑丈で揺れないし、タワーとタワーを結ぶ間の橋も長く立派で観察にとても良く、本当にありがたい。ただ、バードガイドがいないとただの公園でしかないようで、家族連れで歩いている人たちは沢山いたけど、鳥を見てる人はそれほど多くなかった。

ブタゲモズの若鳥。目の後ろ下側にある黒いパッチがまだ薄い(この写真だとほんのり黒くなってる位にしか見えないが一つ上の写真と同じ個体)ので若鳥。この後、撮影した別の個体が、しっかりと黒い成鳥だったので後から違いがよくわかった。この子は、鳴きながら家族で飛んできて、なぜか一羽だけ残って食べ始めて、食べるのに夢中で、しばらく枝の上に1羽で滞在。食べ終わってから、家族がいないことに気づいた風で、その後、上に上にぴょんぴょん上がって、空を眺めながら、最後に飛んで行きました。

ブタゲモズを見ていたら、メンバーの1人が「オランウータン!」と声をあげ、後ろを振りかえってそちらに少し近づいたら、すぐそこにいて、しかもどんどんこちらに近づいてきてて、え?え?どうしてと思ってるうちにもどんどん移動してくる。そしてあっという間に、自分たちのいる橋の近くまで来て、そこで、やっと向こう側に渡りたいのねと理解する。オランウータンは体が大きいけど、動きはとても早い。何故かナマケモノのスピード感がイメージにあったけど、全然違う。ずっとずっと早い。今回、9月、10月と多数のオランウータンに出会って、どの個体もあっという間に動く時は姿を表し、そして移動し消えて行ったので、その運動能力の高さは記憶した。手足もかなり長くて、力が強いこともよくわかった。器用に小さな花や実を食べていた。

オランウータンもテナガザルぐらい腕は長いと思った。

時折こっちを確認しているが、こちらは動かずに見ているので、問題視されず、最後まで観察させてくれました。

オランウータンにも尾はない。

橋に乗っかって、人のいる橋に一度降りて、さらに橋の上にまた乗り、歩きやすそうに先に進み、そして、また橋から樹をつかんで森に入っていきました。どのあたりに渡りやすい樹があるかはわかっていて、人工物の橋を利用して安全に距離を稼いで、森に向かったと思われました。いつも使ってる道に私たちがたまたまいたという具合だと思います。

そして、橋の上から降りて森の中の木に渡ってから、私はちょっとだけ近づいて様子を見に行ったら、こちらに顔を向けたので写真を撮らせてもらいました。それが下の写真。こっちを明らかに認識していましたが、優しい目をしているなぁと。顔から自分も雌だと思ったし、雌だとも言われましたが、後から本で若い雄だと雌雄は判別しにくいと、ブツは確認していないので、正確にはわかりません。

そして、再度タワーに上がって観察したブタゲモズの成鳥。黒い模様が大きい。しっかりしている。赤い羽の色が鮮やかに見えるので雄だと思われる。メスのが全体的に淡い赤に。

羽繕いして、赤い羽根に覆われた脚が見えました! この雄もしばらくここにいたので、ゆっくり観察できました。そして、最後にキタタキ。昨日までの観察地にいると知った時に見たいと思ったキツツキでしたが、向こうではチャンスがなく、タワーで鳴いていると言われた時、声が近いし、探したいと思った。この木の反対側にいそうというくらい鳴き声は近いけど、葉がわさわさしていて、見えそうにない。でも諦めたくなくて、双眼鏡でのぞいて探していたら、見ていた視界に飛んできた。小さな窓からしか見えない状況。でも餌を探すのにコンコンしてて、同じ場所に落ち着いていたので、皆さんに無事に伝えられ、キタタキも皆さんで観察! 全長42cm(とボルネオの図鑑には書いてあるが日本の図鑑だと46cm)、日本にもかつていたキツツキの種で日本絶滅種。クマゲラより大きいと覚えていたが、図鑑で確認したらほぼ同じサイズ。違いはお腹が白いこと。頭の赤い部分も大きく、目の下の部分も赤いので雄の個体でした。飛んできてくれて本当にありがとう。自分で探して見つけられると本当に嬉しいし楽しい。それもキタタキの鳴き声でいるのを教えてもらえたからで、確かに探していたらドラミングも聞こえてきて、ワクワクが止まらなかった。バードガイドの耳の素晴らしさにはいつも感動するが、その情報から鳥を探せてよかった。

これは、ツル性のイチジクと聞く。初めて見た気がした。実もオレンジ色で大きいし、イチジクっぽくない感じがしたので撮影。かなり大きい。巻き付いている樹も相当大きいのだが。ツルも竹みたいだ。

で、鳥が出過ぎて朝の6時から12時過ぎまで探鳥して、やっとカフェにたどり着いてランチ。喉が乾いたので、ココナツをみんなで飲む。冷たくないけど、ごくごく飲めるだけで美味しい。スプーンで中のゼリー状の部分を削って食べる。味はないけど、私は食感が楽しくてついつい食べてしまう。味のないものが好きなのもあるけど、疲れすぎて、汗かきすぎて、お腹も減って、でも沢山見ての心地よい疲労感で嫌な疲れは全然なくでもやっぱり疲れましたねという感じ。1日の体力の目盛りがふりきれました的な疲労感が皆さんからも見えました。疲れすぎて静かなランチ。タワーの上にはイスがあるから座れるけども、基本立って探してみているし、みなさん約6時間、お疲れ様でした。

あまりに長くなるので、この日の午後編は別に書きます。

メッセージ

世界のフィールドを歩き生きてきた私は、移動して自分の知らない世界とつながり、自然や生きもののエネルギーでパワーチャージをしています。クリアな自然の中に身をおき、動植物を感じようとすることは、自分のコアな部分につながり、瞑想しているような落ち着いた時間を過ごすことができます。私とそんな時間を共有してみませんか。

この記事を書いた人

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橋場みき子

生きものと世界の大自然、旅や愛爬ヒョウモントカゲモドキ、ときどき娘のことなど書いています。動植物大好き、自然の旅案内人として、知人・友人に案内しています。2020年3月まで世界の動植物に会いに行く旅を手配・案内する生活をつづけて20年以上、1年に地球5周を移動するような生活でしたが激変。2021年9月私は生きものとのつなぎ人と自覚し復活。鎮まりながら多動し、今日も生きています。

イベント情報

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