秩父鉄道の上長瀞(かみながとろ)駅から徒歩5分の場所にある、博物館です。
長瀞が、地学的に大事な場所だというのは、娘が学校のネイチャープログラムで訪れていたので、うすうす感じていました。
でも、岩石のこと、地質のことは、難しくてよくわかないし、と流していました。
実は、地形や地質について、あまりに基礎知識が足りていなくて、世界各地のそういうジオサイトに行ったときに、いつも困っていました。
知りたい気持ちは、あるのですが、適切な書籍がないのと、英語で聞くとわかったような、わからないような、否、すっきりわからないのです。
表面的なことは理解できても、もう少し突っ込むと???という感じでした。
タンザニアの大地溝帯、アイスランドの二つのプレートの入り込む場所、カナダ・ニューファンドランド島のグリーンポイント(カンブリア紀とオルドビス紀の境目や化石が出ている場所)やマントルが地表に出ている世界で4箇所しかない稀な場所の一つ、チリ・パタゴニアのパイネ国立公園の山、トーレスデルパイネの岩峰についてなど、自分がもっとよくわかれば、楽しく説明ができるのになぁと、いつも力不足を感じました。
かなり書籍も読みましたが、どうにも自力でクリアできそうもないと感じていました。
そんなこんなで10年ぐらい悶々とすごし、今にいたっているわけですが、今回、地質学・博物館学の専門家の本間岳史さんから、そしてほかの先生にも、フィールドで地質学を学べる機会がありました。
本間先生には、フィールドに出る前に、この博物館で、展示物を見ながらご説明いただき、予習をしました。
一緒に博物館に来ていなければ、ほとんど理解しないままだったでしょう。
秩父で見つかった海棲哺乳類化石群と古秩父湾堆積層は、二つセットで平成28年3月1日に天然記念物に指定されています。
海棲哺乳類の一種が、パレオパラドキシアです。
見た目はカバみたいな感じで、復元モデルは可愛いです。
全部の骨格が出ているのは日本だけらしく、すごいことなんだそうです。
それと、秩父では、たくさんの鉱物、しかも多種な鉱物を含んだ岩石がでているのです。
マグマの、熱の影響を強く受け、その結果、金属鉱物がよくでるのだそうです。
秩父が日本の地質学発祥の地とは知りませんでした。
日本の地質学は、狭いのに相当複雑だそうで、日本がわかれば、世界も理解しやすいはずと他の先生にも教わりました。
一度、説明を聞いたくらいでわかった気にはなりませんが、それでも地質学へのアプローチの方法が以前より見えてきました。
博物館に行くと、動物のとろこばかり目がいってしまう自分ですが、説明を受けながらだと、岩石でも素通りしないで、観察することができます。
そもそも、岩について観察する時間が足りていませんでした。
知識もまったく足りていませんでした。
帰ってから、娘に聞いたら、彼女の方が、詳しかった。
受験勉強で覚えたことを、教えてもらいました。
これで、やっとスタート地点に立てたような、岩との付き合いです。
本間先生が、川の作用(浸食、運搬、堆積)と地質を考えると地形が見えてくる、というようなことを言われていましたが、それが見えてくるのはいつだろう。
気長に勉強を続けていきたいと思います。
今回の出会いに感謝しています。