今回のツアー
2017年9月7日~15日まで、アラスカの自然の旅に同行、ご案内してきました。
夏のアラスカは5回ほど経験がありましたが、秋のアラスカは初めて。
今回のコースはわりに一般観光ツアーでもよく訪れる目的地。
でも、一緒にいく現地ガイドの目がいいと、全然違う。
ベルーガ(シロイルカ)、グリズリーベア(Grizzly 和名だとハイイログマ、日本のヒグマの亜種です)、アメリカグマ(Black Bear)、ムース(ヘラジカ)の雄、ビッグホーン(オオツノヒツジ)、マウンテンゴート(シロイワヤギ)ほか、この時期はもう多くはないですが鳥も合わせて観察してきました。
オナガフクロウってどんな鳥?
その中でも、特筆すべき鳥、オナガフクロウからご紹介!
マッキンリー山、で有名なデナリ国立公園で、2017年9月11日に観察・撮影。
国立公園主催のバスツアーで遭遇。
この鳥、1998年と1999年と2014年の5月にフィンランドで観察している(らしい)。
2014年は記憶に新しく自分で撮影もしているが、90年代のは探した覚えしかない。
このフクロウ、夜行性ではありません。
フクロウの仲間って、全部が夜行性なわけでなく、この鳥は昼間に動く昼行性なので、比較的観察しやすいのですが、そうは言っても、なかなか見られる鳥でなく、今回のツアー中に出会った動物の中で、私は個人的に一番興奮しました。
また習性として、樹のトップにとまる、写真のように。
習性からいえば、比較的見つけやすい、観察しやすいフクロウとも言えますが、高緯度地方にしか分布しない鳥なので、珍しい鳥です。
ヨーロッパだと北緯60度、北米大陸だと北緯50度より北でないと分布していません。(これはわかりやすくざっくり言っています。ヨーロッパはCollinsの、北米はNational Geographicの鳥図鑑の分布図と世界地図帳を自分で照らし合わせて表記しました。)
フィンランドに、カラフトフクロウ、オナガフクロウが見たいので、行きたい方もいるほどの鳥です。
今回、デナリ国立公園で見られたのは、幸運としか言いようがありません。
デナリ国立公園
デナリ国立公園なんかで、遭えるんだぁ~というのが正直な感想。
デナリ国立公園、とっても広いのです。
面積が、24,500㎢もあります。
それどのくらい広いかって、東京都(約2200㎢)の10個分より大きい。
私自身がこの手の話が苦手なので、わかりやすい例えを模索しましたが、日本の国土37.8万㎢のうち、面積一番広い北海道で8.3万㎢には及ばないけど、二番の岩手県1.5万㎢より大きい公園です。
すごく広いことは理解していただけるかと。
その広大な敷地内で、動物が点在しています。
珍しく少ない動物、例えば、オオカミは72頭、と調べがついています。
公園内は、基本自由に動けません。
バスツアーでは、トイレ休憩とビジターセンターでしかバスは降りれず、バスからひたすら観察です。
なので、出会えるのは、道路際に動物が出てきてくれた時、そしてこちらがそれに気づけたら観察・撮影が可能になります。
かなりの可能性の低さ。
でもこの可能性にかけるからこその出会い。
私にとっては、デナリ国立公園2回目です。
1回目は悪天候で動物との出会いはいまひとつでした。
そして、あまりの広さに、動物に出会えるチャンスが低く、たいへん有名だけど、動物観察の満足度が低くなると気づき外していました。
しかし、今回は黄葉、紅葉が素晴らしかったデナリ国立公園。
見渡す限りの景色が黄葉につつまれ、ベリーなどの下草が赤く草紅葉になっている。
そんなところを、クマやムースが歩いている。
秋のデナリ国立公園はフォトジェニックです。
黄葉の時期は9月第1週から中旬まで。
今期は17日、明日には公園は閉園されます。
なので、2週間くらいが紅葉シーズン。
デナリ国立公園は、長い長い冬にはいります。5月中旬まで公園はクローズです。
そんな、人のいなくなるなる前に、オナガフクロウが人を見に出てきたのかなぁと、いま書いていて思ったり。
このフクロウとの出会いのすごさを理解する人はほぼいないようで、まだ鳥がそこにいるのにバスは出発するし、全然興味のない人も。
でも、私は出会えて、とってもうれしかった、オナガフクロウの話でした。
☆オナガフクロウの気に入った写真全部載せてみました。どれも一緒じゃんと言われそうですが。図鑑は正面顔なので、横から見た時の頭の縞模様とか、こうなっているんだとあとから興奮。