育休から復帰後、突然、国内の花の観察ツアーの担当となり、花というか植物のことが本当によくわからないのに手配、添乗、企画のアシストの仕事がスタートしました。
それから8年くらいは、植物漬けの日々でした。オオイヌノフグリも知らないという、植物が何もわからない人でしたが、ツアーでは、植物図鑑を作成するプロの植物写真家、植物生態学者、園芸家などさまざまな植物のプロフェッショナルな人と同行し、一番質問しやすい立ち位置にいたので、どんどん質問。
これは、途中でお客様でも聞きたい人はたくさんいるけど、日本人的に質問しにくいということがよくわかり、代わりに私が質問しよう!と完全に役得を利用。
私が最初に質問すると、皆さんも質問しやすいようで、とてもいいと感じました。自画自賛。
日本もかなり旅しました。まだ通過でなく訪れていないのは2県と1府(兵庫県、福井県、大阪府)。
あまり普通の方は行かない場所、日本の自然が豊かな場所≒秘境に行きました。
そして、一般観光で行かない場所にツアーを組む際に、何が一番大変かというと、お昼の弁当手配でした。
自然相手のツアーだと、時間が読めないので、お昼はお弁当が必須です。
宿泊したホテルで頼めるといいのですが、それが出来ないと、一般的にお弁当屋さんがあれば、もちろんそこに。それが無いとさまよいはじめます。
道の駅のショップ、道の駅の中のレストランまではスムーズなほう。
途中の町のレストラン、すし屋、居酒屋、スーパーに依頼したことがあります。まだホームページが今ほどなくて、弁当手配が本当に大変だったのです。
コンビニに行って、予算を伝え、好きなものを買っていただいたこともあります。これは結構、評判が良かったです。好きなものを買えるから。無駄も出ずエコでいいなと思いましたが、これをすると時間がかかるのが、問題です。田舎のコンビニだと一軒に行ってもすまないことがあり、はしごして買い揃えると余計に時間がかかります。
いま振り返ると、もっと楽しんでやれればよかったのですが、上司が「そんなことにいつまで時間かけてんだ!」と、弁当手配に苦労していると、説明しても理解が無く、何度か怒られ嫌いな手配の一つになりました。
しかし、今回の弁当手配はどうしてこれになったかをツアー中にお話しするとよくうけました。同行講師に「人の苦労は蜜の味だからね。」と。皆さんが楽しいなら本望です。
親のありがたみは家を出てから本当にわかるように、海外の暑いか寒いかの極端な気候のエリアばかりを旅するようになって、日本の四季のありがたみを感じるようになりました。
日本はそれなりに東西南北に長い(3000㎞)国で、気候区分も6パタンに分かれます。これ、中学受験や中学一年生の社会で娘が勉強していました。この手の地理的な勉強、嫌いでした。
気温と降水量の関係性の要素がその地の動植物にとって非常に影響度が高いという事を、海外に行ってから自然に感じられるようになってから、娘の教科書をみたら楽しくなりました。
このサイトが素敵です。ちょっと復習したくなった方にオススメです。
雪の多い日本海側の海岸沿いのエリアは、雪が解ければ春は一気にすすみ、3月下旬には春の花が楽しめます。新潟県は花好きにとっては、たまらないエリアです。春の花は、あっという間に咲き終わり、今年は行きそびれました。
例年、4月の第1か2週に甲府盆地のあたりがピンクに染まります。高速道路からみる景色だけしか見ていませんが、その年の花の咲くタイミングに合えば、それはそれは美しい、桃色の景色が見られます。
このタイミングにあう!というのが難しい。
毎年、春の天気は一定でありません。今年は気温が低い日が続き、桜がなかなか満開にならなかったように、年によって、全然違います。それがかなり悩ましい状況を引き起こします。
誰だって、ベストのタイミングで見たい!と思っているのは十分理解できるのですが、それを「本当に大丈夫ですか?」「保証してくれるのですか?」と言われたら、お約束できません。
適度に晴れて気持ちのいい日、カンカンに晴れて大変な日、時おり光さす薄曇りの日、どん曇りの日、小雨の日、バスの外に出るのを迷うような土砂降りの日、雨風が強くて何とか宿に向かった日、降ったり晴れたり落ち着かない日、雪が急に降って来てあたり一面が真っ白になった日、大粒のヒョウが突然大量に降ってきて、屋根のある場所に緊急避難した日、雷が鳴っていそいで下山した日等々、日付の決まっているツアーの日のお天気は、ずらせないので、本当にさまざまでした。
日本は雨が多い国です。
悪天候の日は必ずあります。どんな日でも対応しようと自分である程度、持ち物の準備を、そして気持ちの準備(天気が悪いこともある)も必要だと自分は思います。
自然に絶対はないのです。天気だけでなく、飲み水や、少し食べるもの、防寒具など、最低限の装備は必ず自分で持って自然の中にはいることが必要です。自分を守るために。
いい花に出会うためには、何度も行くということに限るかもしれません。行く回数を増やせば、確率があがるでしょう。経験値があがり、鼻がきくようになる。そして、数をこなすと、ハズレも当たりもどちらも理解でき、より当たりの時の感動が大きくなり楽しめると思います。
花好きの皆さま、どうか怪我なく楽しんでください。私は、平日の桜をいま楽しんでいます。東京都内を出かけると、あちこちでピンクのサクラが目に飛び込んできます。こんなにもあるのねサクラ~と今さらながら感じています。
こんなに心穏やかにサクラを見ているのは何年ぶりでしょうか。立ち止まって見る心の余裕もあります。
日本に生まれてよかったです~