2021年 東京モリアオガエル観察記録

2021年5月19日〜6月20日までの、

東京都にある、ある谷戸(「やと」と読みます)でのモリアオガエルの繁殖活動観察のメモです。

谷戸とは、丘陵地が侵食されてできた、谷状の地形のことです。

今年、5月後半に、メスに群がるオスというモリアオガエルの産卵シーンをどうしても見たくなって、

主体的にどうしたら見られるかを真剣にいろいろ考え行動。

その結果、

遂に、満足できるような産卵シーンを見ることはできましたが、

課題は残ったので、来年の自分のために記録を残すことに。

夜間観察全6回の記録

記載した時間は、最初のカエルを撮影した時間と、最後のカエルを撮影した時間。

1回目 5/19(水)21:08〜00:53 晴れ

前日に産卵を確認されたことを知って、急遽見にいくが、泡巣は多数あるものの、産卵は確認されず。

2回目 5/23(日)18:50〜20:02 晴れ

探鳥に出かけた帰り道に急に思いたち、立ち寄る。

オスは多数みつけたが産卵の兆候は確認されず、早々に引き上げる。

3回目 5/27(木)20:35〜22:51 雨が昼間に降った後、観察時は止んでいた。

オスは多数いたが、産卵の兆候、またしてもなし。

泡巣が木からたくさんぶら下がり、今年のピークはすでに終わってしまったのかと思い、今年も出会えないことに本当に悲しくなった。

が、出遅れるやつはどの世界にもいるはずと後から思い直した。

4回目 5/30(日)19:18〜22:56 雨。
前日から急にムッと暑くなり、こんな時は、夕方に雨がザーッときそうと想像していたら、その通りに降る。

雨の予測が当たって踊り出したくなる。

1日探鳥した後の夕方に観察地に入ったので、いつもより早い時間の観察スタート。

1箇所目の観察地で、メスが水の中で体を浸して給水している姿を見つける。

今日こそ見れるかもと思ったが、その後産卵に進まず。

3箇所ある観察地を巡って戻ってきた時には、そのメス個体が行方不明に。

メスの個体のそばに近くで鳴くオスはいなかったので、森に帰ってしまったのか?

2箇所目の観察地がいちばん繁殖活動が盛ん。

メスを待つオスが枝の上に多数いたし、水の中にもいて、よく鳴いていたが、メスはおらず、

そしてしばらく来ないか待ってみるも現れず。

雨のせいか、オスが木の上でぴょんぴょん跳ねていたりと、すごく活発なのを観察。

雨が大事な要素だとここで強烈に実感する。

5回目 6/5(土)02:13〜04:35 前日、雨が降っていて、未明は小雨。

思い切って、遅い時間(未明)の観察にずらしてみたら、交接中のペアをついに見つける。

が、オス3匹しかついておらず、物足りなく感じる。

しかし、2箇所目の観察地で、オス4匹が付いているメスを見つける。

ことが進むよう、15分ほど電気を消して待っていたら、ペアだけ下の水の中に落ちてしまった。

残ったオスは、泡巣の上にあがって射精しているようにも見えた。

木の枝が細くバランス崩したか、枝が折れてペアは落ちてしまったと推測。

でも、やっと、見てみたいと思っていた産卵シーンらしい絵が見れて、初めて満足。

6回目 6/20(日)02:40〜04:16 観察時もずーっと雨が降る。傘をさして歩きたくなるくらい降っていた。

前日夜から雨は降り続けていたので、繁殖シーズンには、かなり遅いと思われるけど、チャンスありと推測して未明に観察に。

1か所目は、前回までにくらべ静かで、時折鳴き声はするものの、場の生気少なく、やはり繁殖期は過ぎたか?だめか?と思ったが、

2か所目で、オス6匹がついた7匹のモリアオガエルのダンゴ、かたまりをついに観察!

泡巣の泡が、オスの体にもいっぱいついていたし、足でかき混ぜている様子も見れた。

前回までに見られなかった小さな泡巣も5つ、枝についてた。

この日、新しく確認した泡巣はどれも今まで見たきたものに比べ、

かなり小さく(今まで見たきたサイズが通常サイズとしたら、その半分からそれ以下程度)、

産卵していたメスも小ぶり、オスも小さく痩せていた。

前回5日の観察から2週間ほど観察があいてしまったが、

6月20日に観察した泡巣がどれも小さく、

古くないまだ産卵から日があまり経っていないと判断できたので、

繁殖期に早めにスタートできる個体は、数年生きてしっかり成長した成体の個体で、

後半は繁殖に不慣れというか初めてのまだ体が小さな若い個体が、

ギリギリのタイミングで繁殖しているしているのではないかと推測。

全6回の夜間観察からの考察

1.雨が、産卵スタートの必要条件ではないのか。

2.未明(2時ごろ)以降から朝方にかけて産卵しているのではないか。

3.モリアオガエルの泡巣が、ときどき木の上ではなく、水の中に生み付けられることに対して考えたこと

これは、オスとメスのペアが、木の上から落ちてしまった後に、水の中にそのまま泡巣を作って生んでしまうのでなかろうか。

もう一度、水から上がって木の上に登って行くのは、

水を含ませてお腹がパンパンにふくれ、オスを背中に乗せた体の重いメスには重労働で、体力的に無理な個体もいるだろうと推測。

4.昼間に木に残るオスについて考えたこと
最後2回の観察時、朝3時半ごろの鳥が鳴き始め、明るくなり始める4時前には、森に帰って行く個体が多数いた。

オスを乗せたままメスが森に枝を通じて帰って行くのも見た。

横に張り出した枝が、森と下に水場がある産卵場所をつなぐ「かけ橋」のように見えた。

が、森に戻ろうとしない個体もいた。

昼間に繁殖場所そばの木々に残っているオスは、

メスが来るのを待つ、出待ち個体かとばかり思っていたが、

前の晩に繁殖活動し、疲れて動けない個体なのかもしれないと思った。

そんなことを思いついたら、

オスの顔が、やり切った感のある高揚感に包まれた気持ち良さそうな顔、

やや疲れて休んでいるような顔にも見えてきた。

2022年への課題

・5月GW後の雨の日には、観察をはじめる

・雨の降る日、降った日を狙って観察に行く

・朝方の産卵だと思うので、早めに来ても朝までねばるとチャンスがあるかも。または、観察スタートを遅くするのがベターかも。

最後に

25年近く、生き物をみる旅にたずさわり、

フィールドに出れば、現地ガイドと共に探してきた。

あまり役に立ってないと感じることも長きにわたってあった(正直、今でもある)が、

動くものや、何か違和感を感じることで、

少しずつ見つけられるようにはなったし、

ときどき、大当たりもあった。

野生動物との出会いは、

最終的には運だと思ってはいる。

でも、チャンスの確率を上げる努力は、

対象物との経験値が低くとも、

今までの経験を総動員すれば、私にもできるんだということに今回初めて気づいた。

たまたまラッキーだったと言われてしまえばそれまでだが、

かつての上司は、

「運も実力のうち!」いつも口にしていたことを久々に思い出した。

爬虫類・両生類を追い初めて約1年、

モリアオガエルの産卵シーンを今年どうしても見たい!

と心から思って、いろいろ考えはじめたら、

頼れるものは、自分の観察の経験値しかなく、

真剣に考えたら、こうしてみたらいいのではないかという方法は自然にわいてきた。

お陰で、図らずも「自分を信じる」ということがどんなことなのかを具体的に気づくという体験もおまけでついてきた

2021年のモリアオガエルの観察でした。

観察地情報は、お伝えできませんので、あしからず。

観察してみたいと思っている人の参考になったら幸いですし、

これを読んでモリアオガエルに興味がわいた方がいたらそれもとっても嬉しいです。

この記事を書いた人

橋場みき子

ワイルドライフの動植物を世界に見にいく旅を作り、ガイドする仕事をしてもうすぐ25年。1年に地球5周を移動する生活を約10年。
2020年世界は変わりましたが、私は、秘境の道先案内人&自然旅行撮影家として、活動を継続することを決意。
17歳の娘と2歳のヒョウモントカゲモドキ(レオパ)雄の母でもあり、夫と3人+1匹の家族構成で日本で暮らしてます。

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