西表島に生息するカエル全8種を、
現地の夜間観察専門のガイドさんに案内してもらい、
観察・撮影しました。
西表島のカエル8種
8種のうち、
3種、
リュウキュウカジカガエル↓、
ヒメアマガエル↓、
サキシマヌマガエル↓は、
沖縄島北部のやんばる、奄美大島、西表島等で既に多数回、観察。
今回は、渓流沿いが生息地の2種、
日本一観察が難しいといわれるコガタハナサキガエル↓、
と生息地はそれに比べ広めのオオハナサキガエル↓、
お酒をそそぐようなトクトクトクトク、または、ニワトリみたいな、ココココという独特な鳴き声はすれども、
姿は見えないヤエヤマハラブチガエル↓、
樹上でくらし、日本では唯一子育てをするアイフィンガーガエル↓、
繁殖期以外は観察しにくい、ヤエヤマアオガエル↓、
の5種の生息地に案内していただいた。
カエルは、
夜行性の動物で、
夜の山、渓流沿いに観察のために入った。
爬虫類・両生類の観察時は、
水場が多いこと、
ヘビに噛まれても安全なようにと、
長靴が基本。
今回は、川の中の岩の上を歩いたり、
ときに水の中にも入りながら、
登ったり下ったりしながら道を進んだ。
過去に渓流トレッキングの経験はあったが、
渓流用のシューズを履いていたし、
夜にそんなところを長靴で歩くのは初めてで、
ヘッドランプの明かりと手元の明かりはあるけど、
足元の危ういところを歩くのは時に危うかった。
でも、
「この石に乗って、ここは滑るから乗らないで!」等の細かい指示がたびたびあって、
安心して、進めた。
転んで怪我したり、滑落したら、
夜だし、大ごとになるのは間違いないので、
生きものを自分で探したい気持ちはあったが、早々にあきらめ、足元に集中した。
それで、3種のカエル、
アイフィンガーガエル、オオハナサキガエル、コガタハナサキガエルを見せてもらった。
生息環境を実際に訪れて、目にするって
すごく面白い!と感じた。
環境の好みがはっきりしている種は、
その好みの性質上、人にとって観察しにくくなるだけで、
行くのに大変だった渓流沿いの訪れた場所には、そこここにいた。
日本一見るのが難しいと図鑑や書物に書いてあるコガタハナサキガエルは、
好きな環境には多数いた。
カエルをよく食べているイリオモテヤマネコは、
ここにもやってくるのかもしれない、と妄想した。
カエルをよく食べるイリオモテヤマネコ
イリオモテヤマネコはかなり特殊なネコで、
水に入ることが嫌いではない。
まったく躊躇せずに入る。
ヤマネコと名はついてるが、山だけでなく、川やマングローブ林などの水場も生活圏だ。
なぜなら、
生態学的には、西表島の狭さ(東京23区の半分くらいの面積)で、
ネコ科の肉食のイリオモテヤマネコが生きていくのは本来難しいが、
多種のものを食べることで、それをクリアしている。
多種のものを食べるために、さまざまな環境で動き、食べている。
糞の調査から、80種の生きものを食べているのがわかっていて、
そのうち、最も多いのが鳥、
次にカエルがくるというのを、
NHKのダーウィンが来た!の番組で知る。
そう、イリオモテヤマネコは、
カエルをたくさん食べている。
カエルを食べることで、
大陸から渡ってきた時に、
ネズミのいない西表島でも順応し、
食糧難を乗り切ったのではと考えられています。
私も20年以上前に中国で、
カエルの唐揚げ風なものを美味しい!
と思って知らずにたくさん食べたので、
なんとなく、イリオモテヤマネコに親近感。
イリオモテヤマネコとの遭遇
一度見たことはありますが、
近いうちに再開したいし、
いつか、道路上でないところで、
遭遇したいものです。
西表島のカエル8種全部を見て、
イリオモテヤマネコを想い、
近づいた気持ちになった今回でした。
最初の一枚
トップのカエルは、ヤエヤマハラブチガエルです。
西表島の8種のカエルのうち、
今回初めて見た5種の中で、最も見るのに苦労した種。
予定の場所で見れなくて、
お陰で、だいぶ前に行きたいと思っていたけどすっかり忘れていた場所に行くことができました。
ただいま、いろんなものに導かれていることを自覚しています。