ドウボウシハチドリCoppery-headed Emeraldは、コスタリカの固有種のハチドリです。
固有種とは、その国、その場所にしかいない種。英語でエンデミック(Endemic)といい、海外に動植物を見にいくと、固有種エンデミックが大事にされます。その場所に行かなければ、見られないのだから当たり前と言えばそうですが、珍しいもの、少ないものは、どこでも大事にされます。
ハチドリは、バードウォッチャーでない人でも、その名前は知っていて、話が通じ易いのでいい鳥です。
でも、新大陸(北米と中南米)にしかいない鳥なので、動物園以外では、見るのはそんなに簡単じゃない鳥です。
写真はコスタリカで撮影しました。
ハチドリの色が美しいのは構造色といって、光が羽の微細構造に反射し、見る角度によってさまざまな色に輝いて見えるからです。
昆虫にもそういうキラキラ輝くのがいますよね、タマムシとか、南米の青いモルフォチョウとか。
ハチドリは、比較的、落ち着かない鳥で、昆虫みたいに移動する鳥っぽくない飛び方の鳥です。ホバリングしているときなどはまだいいですが、飛翔中は高速移動して撮影しにくいので、枝にとまった時がシャッターチャンスです。
が、なかなか撮らせてはくれません。時々、一カ所にとどまって鳴き続けてくれるいい子もいますが、大抵はそんなことはありません。
そして、さっき言ったような構造色ゆえに、光が当たらないときれいな羽の色が出ないので、美しさが半減します。
雄と雌で羽のパタンが違う種も多く、そうすると大抵は雄の方がきれいです。雌は地味で、雌どうし別の種類でも似ていたりするので、見分けるのが困難だったりします。雌だけ単体でみると何の種類かわからないハチドリの種も多いです。
という訳で、ハチドリの雄の個体を撮影するのは、ハチドリが数秒でも、光がよく当たってきれいにみえる場所にとまってくれた時のみで、ハチドリに感謝せずにはいられません。いつもありがとう!という気になります。