ロードキルとは?
ロードキル(roadkill)とは、道路で死んだ野生動物の死体をさす言葉で、和製英語かと思っていたら、しっかり英語でした。
琉球列島でよく目にする言葉
琉球列島に頻繁に行くようになって覚えた言葉ですが、野生動物が身近にいる場所を訪れることの多い自分にはその単語を知る前から、道路で無念な姿を見る機会が多くありました。
特にここ2年は、琉球列島を旅して観察しているので、頻繁に目にする案件で、道路で交通事故に遭って命を落とす野生動物の多さに胸が痛いです。
爬虫類・両生類を観察するようになって残念なことに目にする回数が格段に増えました。それだけ小さいものは気にされていないというか、気づかれないのだと思いますが。
ロードキルの目撃
先日訪れた、沖縄島北部のやんばるでも、たった5日間のうちに、ヘビ2種(ハブ、アカマタ)、両生類2種(シリケンイモリ、イボイモリ)とみました。ヘビは、違う意味合いで殺されているかもしれませんが、それはちょっと置いておきます。
そして最終日の未明には、悲しいことに1時間前にはなかった轢かれたばかりのケナガネズミに遭遇し、翌朝、環境省のやんばる野生生物保護センターに電話をしました。
前夜に道路脇にちょろちょろと出てきていたケナガネズミをチラッと見かけていたので、もう一回会いたい、よくみたい、と思っていましたが、こんな形で出会いたくはなかったと。
夜は動物たちの活動時間であり、道路にも野生動物はおりてきます。そんな中、普通に走ってきた車には簡単にはねられてしまうでしょう。
雨が降っていれば、両生類は朝も昼も道路に出てくるので、私達は見つけては轢かれないように追い立てて動いてもらうか、移動させていましたが、
10センチ程度の小さい生き物は探す気で道路をみていないと、全く目に入らないだろうことは容易に想像できます。実際に轢かれた礫死体も見ています。
リュウキュウヤマガメでは、かつて轢かれたことがある証拠のような激しく損傷した甲羅を持つ個体に出会いました。
2年前の夏に見つけたリュウキュウヤマガメは礫死体で、あとほんの少しで道路を渡り切るところだったのという場所で死んでいました。交通事故は、ちょっとしたタイミングなんだと、感じずにはいられませんでした。
野生動物をひかないために
2021年7月に世界自然遺産に登録された、沖縄島やんばる、西表島、奄美大島は野生動物がたくさん生息しています。
もし観光に行った時は、生き物がいるかもしれないと思って、車を運転してくださいね。少しの気遣いで、救われる命があるはずです。特に朝と夜は注意です。
どうか、GWや夏休み、琉球列島に遊びにいく方、生き物が多いエリアに行く方、生きものに優しい運転をよろしくお願いします。
スピードを出さないのが一番です! 西表島は、島内は時速40キロ制限、集落内は30キロ制限があります。かなり気をつけて運転しないとすぐにスピードが出てしまうので低速運転に慣れるまでは気をつけてくださいね。
アイキャッチ画像は、磁石式のステッカーです。やんばる野生生物保護センターで購入できます。新作もできると聞きました。生きものが特に好きではない方にも目に入るといいのですが。
広義のロードキル
ロードキルは、道路上での死体のことを意味するので、道路脇の側溝に落ちて上がれなくなり死んだ個体のことを含みます。小さいヘビや、深い側溝だったりするとカメなども這い上がれなくなるそうです。
さいごに
リアルに感じて、考えて欲しいので、ケナガネズミのロードキルの写真(モノクロに加工)を載せます。
運転する人は、夜はスピードを出さずに、相当気をつけて運転してください。注意したくないのなら乗らないでと伝えたい。
事故現場に遭遇した状況は、クロイワトカゲモドキを集落の先で観察して小一時間ぐらいで戻ってきたら、行く時にはなかった死体が横たわっていました。
私たちが確認したのが、AM2:38。轢かれたばかりのように見えました。毛並みもよく健康そうな個体なのに、一瞬にして命を奪われ、人ではないという考えの人もいるでしょうが、私にとっては同じ命で、こういう事故が一件でも起こらないことを心から祈ります。