さまざまな動植物系の世界中の図鑑を接して、30年ぐらいになります。
図鑑のすごさとは、
名前がわかること、そして、その生きもののバックグランドがわかるということに尽きます。
なに言ってるの?という方のために、
植物の図鑑だとしたら、その植物が日本のものなのか、それとも園芸品種で外国産、外来種なのかとか、
そして、何の仲間かもわかる。マメ科、シソ科とか、大枠がわかると、あぁこれもその仲間なのかとザックリわかるというわけです。
自分は幼少期にほとんど植物に興味がなく、仕事で海外の植物の写真を10年近く見る環境にいたぐらいからが植物との接点だったのですが、
国内の植物の旅に同行することになり、植物を勉強せざるを得ない状況になってから植物を覚え出し植物図鑑を見るようになりました。
鳥や哺乳類と違って、圧倒的に種数の多い植物は、全体を把握するのが難しく、しかも動物と違って、図鑑1冊に全てが載っていないので、いくら図鑑を調べても、適切な図鑑でしらべない限り、決してわからないということに気づくのにも時間がかかった悲しい過去があります。
そんな、私の古い話を持ち出してなにが伝えたかったかというと、
今回、お伝えしたい図鑑『沖縄の身近な植物図鑑』がすばらしいので、皆さんに手にとって欲しいのです。
沖縄本島で見る植物が、この一冊で調べられる図鑑です。
図鑑は園芸品種、外来種などは載せないことが多いのですが、これは、たくさん載っています。
残念ながら、日本の在来種以外もたくさん島には入ってきていて、歩いていると何かなぁと思うことはあっても、探すのが難しそうで、気にしないようにあえてしていましたが、
この図鑑があれば、自分の好奇心をなかったことにしなくてもいい! という画期的な図鑑です。
植物をひたすら追うという旅をしていたこともあるので、その楽しみもわかりますが、
今の自分はこれはなんだろう? と思った植物を調べてその植物の説明を読み、その前後や同じページに載っているところを読んで気になったところを芋づる式で読み進めるのが私の図鑑の使い方です。
在来種、外来種を分けずに、実際に訪れて歩いて目にする機会の多い植物が記載され、しかも植物コラムがたくさんの人で書かれていて興味深く、
写真点数が多く、絵あわせ的に植物が調べやすく、かつ真面目にやろうと思ったらそういう風なにも使えるようになっているという、
図鑑を多数作られている著者が作られているだけあってすごいなぁと、手にして感じました。「特殊植物」という分類はないのですが、その分け方で紹介されているのもすごくいいと思いました。
かつ、342頁、343頁のあとがきがとてもいいなぁと感じました。
沖縄に行く方、この図鑑をもって沖縄を歩いてみてください。植物の世界につながれますよ。
★「沖花」植物観察会を著者のお二人が無料で開催されています。
詳しくは林将之さんのこのきなんのきのサイトをご覧ください。