ボルネオ自然の旅 写真紀行 2023年10月 No.5 ボルネオゾウの糞からわかること

熱帯雨林の森での最後のサファリ。水分を含む空気感、どん曇りの空で今にも雨が降りそうだけど、6時に出発。

出発前の5時40分にはサイチョウの鳴き声がよく聞こえてきたし、ギボン(テナガザル)の鳴き声も森によく響いている。セイランという、雄の尾が長くて色味は茶系で地味だけど派手な鳥の上がって下がる2音で構成されるフーフーという鳴き声も聞こえる。生き物の気配はあって決して静かな森ではないけども、その姿を実際に目にするのが難しい朝でした。

ギボンとセイランの鳴き声の動画は、YouTubeのショート動画に入れました。直接とぶURLが貼れないので、私のYouTubeチャンネルに飛びますので、ショートを選んでみてください。

鳥はそれなりにいて、サビイロムジチメドリ、クロアゴヒメアオヒタキ、コシアカモリチメドリ、ムナフコウライウグイス、アカガオサイホウチョウなど。でも双眼鏡がないとどれも小さい鳥すぎてよく見えなかったと思うし、自分もまた写真を撮れるような距離ではなかった。

それでも車は進み、

7時22分 ゾウのお尻の一部がチラッと前方に見えたのと同時に車は近づいたがすぐに茂みに入られてしまう。一瞬すぎて、瞬間は見えたけど、気づくのが遅かった。ドライバーガイドはもう少し前に見えてたはず。

もしかしたらまたゾウが出てくるかもしれないからと、しばらく車を止めて静かにするものの、奥へと入ってしまったようで戻る気配がなく諦める。

今回、一つ前の観察地、キナバタンガン川の支流でもゾウに接近はできたが姿は見えず、ゾウが泳ぐ水の音を聴いて終わった。今回も、あと少しのところにいたけども姿はしっかり見えず。またしても、あと少しのところでゾウは行ってしまった。本当にいつも思うが、ボルネオでボルネオゾウ(アジアゾウ)を見るのは難しい。アフリカのサバンナでアフリカゾウを見る方が、ずっとずっと簡単に多数出会えるし、みやすい。日本からアフリカは遠いけど、動物を簡単にみたいのならアフリカに行った方がいいと心から思う。そんなに簡単にアフリカには行けないと言われてしまえばそうだけど、何がしたいか明確ならば、そういう選択はできると思う。話がそれるのでこの話はまた今度。

7時49分 新しいゾウの糞を見つける。

糞と共におしっこがされていた。地面が濡れている。フレッシュなゾウの痕跡。

そしてこの糞が後から、小さいから子供の糞だと教わる。

確かに言われてみれば小さい。ということで、赤ちゃん連れの小さいグループ、4頭ぐらい(お母さん、ベイビー、あとメス2頭くらい。ゾウは女系家族で動く)のゾウたちが近くにいたのだということが推測でき、みんなでその情報を共有する。実際には見えなかったけど、そこにいただろうということを想像するだけでもワクワクする。これは想像できるかどうかが大事なポイントなので、適切な説明があるかないかでは全然違う。前回、ゾウの姿は見えずに泳ぐ水の音のみ聞いていた時に、参加者のひとりが「これがワイルドライフだよね」と言っているのが聞こえてきて、個人的にすごく感動した。そう思える人となら、どこにでも一緒に行ける。

大人の糞はこちら。これもフレッシュな糞だった。新しいと、結構臭うしウェッティだ。

今回、糞をしっかり見て考察するというとてもいい勉強ができました。糞のサイズまでよくよく考えて観察したことは今までの私にはなく経験値上がりました。

ゾウに接近した頃から、天気も良くなってきて、

最も見るチャンスの多い鳥、ルリノドハチクイでも、この森で撮影するのは難しい。いい森での探鳥は距離があって難しい。でも動物達はたくさん生活している。

8時40分にはベースキャンプに戻り、朝食を済ませ、次の観察地へ移動。

2泊したこのシャレーにもお別れ。この建物の中に3部屋と、真ん中に広い共有スペースがあります。

自分の行く旅では手作りの家具が部屋にあることがたまにあるけど、この手作りのハンガーラックが秀逸。スーツケースがちょうど広げられ、上の部分が物を置くことに使え、下の部分にも棚がある。センスのいい人が作ったものに違いない。

伐採した木を運ぶ巨大トラックを時々見かけた。伐採作業は晴れた日しか危険だから行わないとのこと。

来た時と同じく4輪駆動車のハイラックス4台に分乗して複数のゲートをこえて、保護林のエリアを抜ける。ランチ場所でバン2台に乗り換えて、2日間一緒にいたドライバーガイド達と別れて一路、キナバル山麓にある宿をめざす。途中、マーケットによる予定でしたが、激しい雨にみまわれたので、そのまま宿に。でも到着時には小雨になり、キナバル山は夕方なのに雲がかからず見えていました、びっくり。大抵、午後にはキナバル山は曇の中なのですが、山好きなみなさんを出迎えてくれました。かっこいい山です。4月に自分が登ったとは思えないほど高く見えました。

そればかりか、夕方には赤く少し染まりきれいでした。

ホテルはイスラム系の宿で、アルコールはレストランでは飲めないので、バーを貸し切って夕食に。好きなだけ飲んでいただけてよかった。夕食後の2次会、3次会もシャレー風な部屋の前の大きなスペースでちょうどよい場所で開催されました。メンバーだけが使うシャレーが一棟あって本当によかったです。そこまではオーダーできていなかったので。

メッセージ

世界のフィールドを歩き生きてきた私は、移動して自分の知らない世界とつながり、自然や生きもののエネルギーでパワーチャージをしています。クリアな自然の中に身をおき、動植物を感じようとすることは、自分のコアな部分につながり、瞑想しているような落ち着いた時間を過ごすことができます。私とそんな時間を共有してみませんか。

この記事を書いた人

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橋場みき子

生きものと世界の大自然、旅や愛爬ヒョウモントカゲモドキ、ときどき娘のことなど書いています。動植物大好き、自然の旅案内人として、知人・友人に案内しています。2020年3月まで世界の動植物に会いに行く旅を手配・案内する生活をつづけて20年以上、1年に地球5周を移動するような生活でしたが激変。2021年9月私は生きものとのつなぎ人と自覚し復活。鎮まりながら多動し、今日も生きています。

イベント情報

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ただいま、オンラインで、zoomを使ってイベント開催中です。リアルなイベントは、様子をみながら再開を検討します。

国内で観察撮影した写真を見ていただき、その時の様子をお伝えしています。

みなさん、ぜひ一度お気軽にいらしてください。

生きものや自然、旅の話でおしゃべりしましょう。

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