朝食を食べてから出かけるのは久々の朝(笑)
キナバル山麓へ自然観察、バードウォッチングへ出発。ガイドのGから「キーン(熱心な)バードウォッチャーなら、朝弁当を持って出かけるけど、そうじゃないから朝食を取ってから出かけた方がいいよね?」と言われそうしたけど翌日は変更した。この日、鳥の出現がいまひとつに思えて、歩きながら、一部の参加者に相談してみたら「自然観察の旅なんだから、朝早くて全然問題ないわよ。明日は朝食もって出かけましょう!」と言われ、そうか、そうだよねと、言い切ってしまえばいいのだと気づいた私。
この日は、朝からキナバル山が見れず、お天気が心配になったが、全く問題なかったというか、いつもギリギリセーフでこれぞ本場のスコールという雨に3回遭遇しつつもし、一度も濡れずに済んだ。
キナバル公園内に入り、キナバル山を登る人たちのスタート地点の展望台でまず探鳥。展望台のおかげで、木の高さが目の高さにあってとてもいい場所なんだけど、、、渋い鳥の出具合で、よく観察できたのは2種。
ヒガシアカバネモズチメドリの雌。目が大きくてクリクリしてるので可愛い。
虫を食べる間、観察させてもらいました
ブンブン頭をふって、たたきつけてて
見たことないような虫を食べようと頑張ってるところを観察。青虫が生理的に苦手な自分ですが、この縞々の虫だと全然問題なく、なんでなんだろう。生理的嫌悪感って説明不能。
カオジロヒヨドリ ここキナバル公園で出現する鳥は、みんな山地性の鳥。標高1,500メートルはあるから、今までいた、低地熱帯林と鳥がガラッと変わりました。
日本じゃヒヨドリは1種だけど、ここボルネオ島には25種以上いる。
黄色い部分は見えるでしょうか? こちらのヒヨドリ、黄色い部分がある種が多い。
朝8時になり、登山者が続々とやってくるのでゲートから少し移動し、
ボルネオカオナガリス ボルネオ島はリスも20種以上いて、山地性のリス初出現。ちょこんと座っているかのようで、全く動かないので、私たちからその場所を離れるぐらいじっとしていました。とても可愛かった。
大きな木のくぼんだところに座って何かを食べたりして、
動いたのを見たらカオナガと名にあるように、顔が少し長いのが判明。それより、コロッと太めなのが気になる。後から図鑑を見ても、標準より太ってそうなのはゴミをあさっているせいか、単にそう見えただけか。
この後ろ姿が、、、特に重そうに見えたのでした。これだけ見たら、リスだと思わないかも。
チャバネガビチョウ ゴミ捨て場付近のものを食べに集まっていました。人間のものはあまり食べない方が体にいいかと思いますが、簡単に食べられるものを食べるよね、鳥も。
ゴミ捨て場、汚水処理場は、鳥が見やすい場所ではありますが、複雑な気持ちにいつもなります。
この後、車で移動して鳥を探すものの、しばらく鳥に出会えず。
そして、この日の午前中のハイライトは、オオミドリヒロハシの雄の出現!
こんなかわった吊り巣を作る鳥。繁殖中とのことで、近寄れないようにテープが貼ってある場所で、巣だけ見て帰ることになるかなぁと思っていたら、、、道路右側から突然飛んできて、左側の森に入り、一瞬にしてその場にいたバーダーたちが静かに騒然となる。どこいった?
それほど遠くない場所だった。しかも小さな窓からほぼ全身が見える。あわてて証拠写真を撮る。この鳥、明るいところに出ることはほとんどないし、出てくることがまれ。ミドリヒロハシしか見たことないけど、同じようなものと認識してた。
「すごい、すごい!」と心の中でいう。感動するといつもくるゾクゾクっというのが体に走り、でもこの場所説明するの難しいどうしようと思っていたら、なんと、また動いて、今度はオープンなところに移動した。
この時点で、メンバーに場所を教えられると思って周りを見まわしたら、みんな自力で見ていた、すごい!それもすごい、ボルネオに今回来るまで鳥を見たことない人たちだったのに! 全長25センチくらいの鳥を双眼鏡なしで裸眼で追っかけてるメンバーがほとんど、それもすごい、鳥の魅力が伝わったようでうれしい。この鳥なら、頑張って見る甲斐もある、誰が見ても美しい。
ここにいたのは、私たちのメンバー以外に他のグループもいて、30人位はいて、みんな一生懸命見ていた。
鳥が動かないので、いい場所に少し移動したら、鳥の場所が一瞬わからなくなった。あぁ、、と思っていたら、近くにいた別のグループのガイドが気づいてすぐ教えてくれた。
葉をくわえてる。
写真を見返していたら、唯一撮れていた左向きショット。ちょっと暗い写真だけど、実際に見えていたくらいの加工にしたつもり。
個人的にはこの鳥がこのツアーの1番のハイライトだったので、写真いっぱい載せます。ブログに載せるには暗すぎるので、写真は全てやや明るくしています。リアルはもっと薄暗い中にいる感じ。
繁殖中と聞いたから、どのステージか聞かなかったけど、巣材の葉を運んでいるに違いない
このショット、葉の穴からも緑色がのぞいてて好きな写真。
森の中で保護色の緑と黒の鳥、ほんとに美しい鳥でした。後ろ姿もいい、本当にありがとう!!
正味数分、5分に満たない時間でしたが、とてもとても長い時間に感じられ、姿を見せてくれ、本当に感謝しかなく、ラッキーな私たちでした。
途中、鳥の場所を教えてくれた別のグループのバードガイドJは、17年前のツアーで会ったことのある人で、見終わってからお礼を言いつつ、話しかけたら私のことは覚えていなかったけどトレーニングに行ったそのツアーのことは話していたら思い出して、私も彼がそのツアーの最後の最後にボルネオヒメハヤブサを見つけてくれたことを思い出したのでした。すごい再会でした。
大興奮のあとは、歩いてキヌバネドリを探す。赤い大きな塊だから、誰でも探しやすいからと言われ、皆に図鑑を見せて同じく説明する。個人的にはオオミドリヒロハシの感動でホワホワの気持ちの中、今度はキヌバネドリのか細い声を聞き逃さないようにと耳をすませつつ、目では赤いものを探す。
歩きながら、植物も探してて、
虫瘤(むしこぶ)? じゃないよなあ? と思ってよく見たら、イチジクの仲間でした。
このピンクの花もたくさんあって咲いていると甘い蜜が出てるようで、アリがたくさんいました。
このジグザグのツル性の植物はなんだろう?
ノドグロキヌバネドリをずっと探しながら歩きましたが、いる気配はなく断念。
トイレ休憩を挟んで、次は植物園に向かうも、珍しい鳥が出てきて、しかも動かないので、皆さんでよく観察。
かなりよく見えてはいたのですが、双眼鏡がない人が多いので、背景に溶け込んでいて鳥がわかりにくく、写真を撮ってここにいますよというやりとりをしながらも、じっとしていたこの鳥、ありがとうね。
マミジロミツリンヒタキという、ここにしかいない固有種
見ている時はずっとじっとしていて、ほぼ同じ右向きだけの姿を見ていた気でいましたが、写真の中から違うポーズを集めてみたら、いろいろありました。私たち結構騒がしかったはずですから、よく飛ばなかったものです。
固有種なので鳥のツアーでは探してみるような鳥が、たまたま途中にいたので、運よく観察できました。
で、やっと植物園へ。この頃から雲行きがやや怪しい感じに。
この植物園は、すごく奥まった場所にあって、ここでお昼まで時間を気にせずゆっくりできる予定だったけど雨が降り出しそうになったので、急いで回ってもらうよう、途中でお伝えする。
植栽で元気がないのもあったけどこれは美しかったウツボカズラの仲間。ウツボカズラのツボは葉の変形。
植物園の中で、ボルネオチャガシラガビチョウがオープンスペースに出てきてしばし観察。この鳥も固有種。よく出会える鳥だけど、ごちゃごちゃっとした場所にいることが多くて、美しい写真が撮れない鳥。頭上をすごく気にしてて、ちょうどこの時は日がさしていて、美しく撮れました。
食べ物を探している風でしたが、
やたらに上を気にしていました。ガビチョウの天敵って?なんだろう。
ショウガの仲間や、
ランのパフィオは鉢でありました。
最後は、本当に暗く、冷たい空気になってきたので、とっても急ぐことに。駐車場に回してあった車に戻る直前には雨が降り出し、逃げ込む感じで車に乗ったら、その直後に土砂降りよりひどい雨、たたきつける雨が降って来たので、あのタイミングで車に乗れて本当によかったのでした。10月は雨季の始まりで、だから初旬に旅は設定したのですが、それでもいつ雨に降られてもおかしくないので気にしてはいても、雨が降りそうな感じは暗い森の中にいるとちょっとわかりにくいのですが「もう降るから早く行くぞ!」とガイドに言われ、そのまま皆さんを急かして、申し訳なかったけど、車へ急ぐことに。でも、あの雨に濡れることなくて本当に良かった。あの雨に当たったらびしょ濡れは間違いなく、宿に一度帰って着替えた方がいいというくらいの雨でした。
午後は、ポーリン温泉へ。ここはボルネオの人の観光地、癒しの場で、土曜日のため人が多かった。
お湯と水の2種の温泉があって、屋根付きのひと区画を個人で借りて、自分でお湯(か水)をためてから温泉に入る(足湯みたいな人も)そうで、アトラクションとしては面白いかもしれないけど、日本人の温泉感覚とは大きく違う。実際、プールのように遊んでいる姿も見えました。
ここに来た理由は、奥にある熱帯雨林の森にかかる橋を渡る「キャノピーウォーク」をしにやって来ました。熱帯雨林の中間部や樹冠が見えるように、高いところに吊り橋が渡してあり、そこを歩きました。キャノピータワーで鳥を見るということをバーダー(鳥を見る人)ならよくしますが一般の人はしないでしょう。
樹高30メートルくらいある森をより高いところから眺めます。途中、森の中を歩くこともできるのですが、観光地がゆえに人が多くて橋の上で止まることはほとんどできないので、本当にただ森の中に渡してある吊り橋を歩いて、樹冠を眺めて、雰囲気を楽しむアトラクション的な感じになってしまいました。本当は、鳥が来るのを待って、バードウォッチングできるといいのですが、残念です。
キャノピーウォークの入口は別にあって、入場料を払って入ります。
しばし森の中を歩きつつ、ここが撮影スポットだと言われ、
みんなで写しているところ。
しばし森の中を歩き、やっと吊り橋の入口に到着。息が切れしばし休憩してから吊り橋へ。長さは180メートル。
1回に6人までしか渡ってはいけません。
私は、高いところが嫌いなので、鳥を見ることができないのなら、急いで走って渡りたい気持ちに。以前から苦手でしたが、今回は本当に怖かったので、目をつぶって急いで歩き、最後は小走りで行きました。
無事降りたあとの場所。ここの橋は、作りそのものはしっかりしているので、壊れそうで怖いということはなかったのですが、、、
その後、アカエリトリバネアゲハが給水しているのを途中でみて、駐車場に戻り、またしても雨が降りそうだから急いで車に乗って向かった先は、ラフレシアが咲いている場所。
着いた時から、薄暗くていかにもいつでも降って来そうな雰囲気でしたが、
ラフレシア・ケイティ(Rafflesia keithii)という種。ラフレシアも多種ある。
いくつか咲いていて、
つぼみもあり、
これはもう直ぐ開きそうなつぼみ。しかもかなり大きく、花びらの枚数がきっと多いに違いないと説明を受けました。
これが3日目の新しい株。
団体さんがやってきて、あっという間に帰っていきました。
ラフレシアは寄生植物なのですが、ツルブドウの仲間に寄生します。この施設の案内役の男の子にお願いして手に持ってもらい写真を撮らせてもらいました。民族衣装を着ていて笑顔が素敵。
朽ち果てた複数のラフレシアや、これから大きくなるつぼみも散見。本日3度目の雨が今にも降りそうなのは皆が流石にわかり、ゆっくり見たいけど急いで車に戻りました。
ラフレシアが咲いている時だけオープンする観光農園。でも咲いてなくてもいつも見せてほしい。枯れてるのでも、つぼみでも、全く見れないよりはいいと思いました。
今年、豊作だというドリアンをここでも売っていて、私の天敵なので(この匂いで気持ちが悪くなれます)、写真だけ撮って急いで車へ、本当にみんな乗ったらまた降り出してきて、この時もギリギリセーフ。
宿に着く前にマーケットに立ち寄りましたが、ホテルに戻ったら雨も上がり、キナバル山が見えていました。不思議な一日、お天気に恵まれたというかギリギリセーフな1日だったというか、何にしても結果オーライ。
キナバル山麓でのホテルは、熱いお湯もたくさん出たし、部屋も広くてキナバル山がよく見えて快適でした。
で、部屋に帰ってトイレに行ったら、ヒルにやられていた。写真は見苦しく恐縮ですが、こんな感じに。ウエストあたりのズボンのちょうど上あたりで、引っ張ってとってはいけないのに、つい取ってしまいました。またやってしまった。朝起き抜けにダニがついてるのを見つけてつい引っ張って取ってしまった時のように、ついやってしまった。付いてることに驚いて反応してしまった。そもそもヒルにきっちり食いつかれている状態を見たのは初めてで、今まではやられるとチクっとするからその都度手で取って防げていたので、今まできっちりつかれることなく長いこと済んできたのですが、前日から頭が痛くて感覚が鈍かったせいで、今回は全然気づかずやられました。どうも一度食いついたけど、歩いている途中に口が自然に外れてしまい、もう一回噛まれたような形跡がありました。血が出ている方が、無理やり取ったほう。
【この後、ヒルの写真が多数出るので嫌な人はここからみるのをやめてください】
この血が出ている方は、ヒルジンという血が止まらない成分がヒルから注入されているため、血は翌日の午前中いっぱいは止まらなかった。洗って、大きめのガーゼをテープで止めて気にしないことにしたが、じわじわと出血し続けていた。履いていたズボンは黒だったので、色ではわからなくてよかったが、血液でかなりぬるっとしていた。
ヒルはこんな感じ。まだあと半分は吸われて太れそうな感じだと思う。めいいっぱい血を吸ってころっとしたヒルは何度も見たことがある。ブラウンリーチだと翌日、この写真を見せて教えてもらえた。
ひっくり返すと、口がよくわかる。
ヒルに吸い付かれてしまったら、正しくは、虫除けスプレーなどをかければ、自分から落ちてくれる。
夕食時間がせまっていたので、そのままバスルームのゴミ箱に入れて行ったら、帰ってきたら壁についていた。そりゃそうですが、わかるところにいてよかった。
吸血した後は子供を産んでしまうので、申し訳ないですが、虫除けをシュッとして、さよならしました。
ヒルは病原菌がいないから問題ないとはいわれていますが、やっぱり、後始末も含めると気持ちが悪く、でも生き物なので、自分に食いつかない限りは気にしないことにしようと思った夜でした。
ポーリン温泉は、ブラウンリーチもタイガーリーチ(ブラウンより大きく、縞模様のヒル)もいるので、森に入る人は気をつけてね。
この日は旅の最後の夜で、マーケットで買ったマンゴスチンを2次会でいただきました。おいしくいただきました。