ンゴロンゴロ保全地域のクレーターでのサファリを終え、セレンゲティ国立公園に向かう道中の左手に見られる、アフリカの大地溝帯の一部は、地殻変動によってできた大きな断層で、断崖が長く続きます。将来的に(あと3,000万年後)地球の割れ目となるエリアが続く場所がアフリカの大地溝帯です。
現地で、高低差100m位の崖がしばらく続く光景を見て、これが大地溝帯なんだと感じてもらえればいいなと。知らないと、広大な景色の一風景として流れていくだけなので。
アフリカに大地溝帯ができたことで、大地溝帯にそって湖沼群がたくさんあること、そしてそれらがあるゆえに肥沃な火山性土と豊富な雨量で豊かで多様な生物種を有する生態系、環境がはぐぐまれました。
セレンゲティ平原には、肥沃な火山灰のおかげで多様な野生生物が生息しています。
大群のフラミンゴの食料となる藻類も、火山性の土壌で水がアルカリ性だから供給されています。
そしてこの、大地溝帯の影響で初期人類の猿人が現れ、人類発祥の地の一つとされているオルドバイ渓谷が近くにあります。
アフリカの大地溝帯は多数あって、その一部を北部タンザニアのサファリではリアルに見える場所を通るわけです。
未舗装路の道をサファリカーで進んでいるときは、説明してもよく聞こえないので、お伝えしたくてブログに書きました。
約1週間、ダイナミックな景観の中、地殻変動が生んだ豊かな生態系に育まれた生き物にたくさん出会う時間を過ごして、地球のことまで気になり出したら、旅の後もずっと楽しめます。
来月で、タンザニアのサファリの旅にご案内しに行くのは、たぶん16回目。2007年に初めて行ったときは「グレートリフトバレー」を英語で初めて聞いてそれは何ですか? というくらい何も知らずに行きました。詳しい参加者の方に教えていただき、それ以後、地学に興味を持ちはじめ、関連の本も色々読みましたし、岩石や鉱物にも興味を持った時期もありました。いろんなところに行く機会が多かったので、南アフリカと南米パタゴニアの先で岩や景色が似てると感じて、それをある地質学者の方が本に書いているのを見つけて、あの感覚は間違ってなかったんだ! と答え合わせができた気がして楽しかったこともありました。でも、地質学や地球の歴史は自分にとってはとても難解で、数字や言葉が定着しないので、いつまでたっても人に適切に説明できるようにはならず、この地質がどうとか、どういう仕組みで出来たとかは、興味があればいまは調べればすぐにわかることだから、それは個人にお任せして、私はリアルな場で何かを感じるチャンスを逃さないようにお手伝いすることを心がけています。と言うわけで、うまく説明はできませんが、疑問がわいたら遠慮なく声をかけてくださいね。知っていることは、なんでもお伝えします。
今回のブログの中の数字等は、主にナショナルジオグラフィック日本版の特製付録(2011年11月号)の資料を中心に、経験や書籍などから得たものをベースに書いています。私の大切な一番の資料です。さまざまなこと、全体が繋がるように説明がされている書籍や資料等は本当に少なくて、(地学は論文とかは手を出す気になれず一般的なものからしか探していませんが)時々そういうものに出会えるととても嬉しくなります。また、新しいものも探してみようと思いますが、ご存じの方いたらぜひ教えてください。