ナミビア北部の国、アンゴラから流れてくるカバンゴ川は、ナミビアに入ると名前がオカバンゴ川に変わる。
そんな川の土手に、繁殖期になると赤い鳥、ミナミベニハチクイが集まってくる。
普段は、ナミビア、ボツワナ、ザンビア、モザンビーク、南アフリカなどの南部アフリカと言われるエリアの各地に、分散して生活している。
しかし、交尾し、卵を産み、ヒナを育てる間の繁殖期だけ、集団で行動するのだ。
相手を見つける機会を増やし、かつ捕食者からのリスク分散なのだろうか。
理由はわからないが、ほぼ同じ土手にやって来る。
その繁殖地にミナミベニハチクイを見にいく。
ミナミベニハチクイはこんな鳥
赤と緑のクリスマスカラーの鳥。
ハチクイは、名前の通り虫を食べる昆虫食の鳥だけど、一般的なハチクイの色はグリーンだ。赤いハチクイは珍しい。
これが、わりに一般的に見られる緑ベースのハチクイのカラーパターン。額に白い部分があり、それが名に付いたわかりやすい名の、シロビタイハチクイ。
舟を乗るところはナミビアだが、川の向こう岸はアンゴラだ。
川はどっちの国なんだろう。
この辺りは人の気配がない。だから問題にならないのだろう。ワニやカバや鳥のほうがよっぽど密度が高い。
午後、暑い盛りを過ぎたころに出発し、夕方日没前に戻って来る感じのリバークルーズで、この鳥を見に出かける。
川の土手にミナミベニハチクイの巣は、穴を掘って作られるので、この土手がなくなると、この鳥はやってこないだろう。
というか一度来たとしても巣が作れないから、移動してしまうだろう。
この赤い鳥、赤い物好きな中国人が縁起ものとして羽を利用するために、ある年、違法に捕獲されて数が減ったと聞いた。
そして、この田舎ではありそうにないが、護岸工事をされて、砂の土手でなくなったら、繁殖地は消滅するのだろう。
微妙なラインでこの繁殖地は守られている。
川にいるほかの生き物
この川の中州ではほかの鳥も繁殖しに来る。
アフリカハサミアジサシ
川の中州で繁殖するので、ミナミベニハチクイより、微妙な状況で繁殖している。
川の水量が多いと中州がなくなってしまうので、移動するとのこと。
アフリカハサミアジサシの嘴(くちばし)をよく見てほしい。
下の嘴の長さと、上の嘴の長さが違う。
下の長い方の嘴を水面に走らせて、魚を取るという。
飛んでいるときの写真は、まだうまく撮影できていない。
この鳥、夜行性で頭の割合に比べ目が大きい。
夜行性の鳥は目が大きいという特徴がある。
最後に
この川には、カバもナイルワニも生息する。
豊かな川なんだろうといつも思う。
ここの夕日はいつも赤くて、美しい。
ここのリバークルーズで、クルーズの気持ちよさを知ってしまった。
人も気持ちのいいこの川が、いつまでも鳥たちの繁殖できる川であって欲しい。