やんばるに行ったからといって、
出会えるわけではないけど、どうしても会いたくなって飛行機でとんだ。
夜行性なので、3日間の行程でも、2晩、2回のチャンスしかない。
初日、オフロードバイクが、私たちを追い抜き、観察地を走り抜け、しばらくすると、また戻ってきた。
嫌な予感は的中し、かなり遅くまで時間をかけて、出てくるのを心待ちにしながら目を凝らして草地を見続けたが、
クロイワトカゲモドキは、どんなに探しても見つからなかった。
正直、とてもがっかりし、ライダーを恨んだ。
でも、同日の夜、フクロウの仲間、リュウキュウコノハズクが至近距離で鳴くのを見せてくれて、
それだけでも十分幸せだった。
そして、翌日。
深夜まで両生類と爬虫類と鳥を探し、
また翌早朝から鳥を探しに行くのだから睡眠時間は極端に短い。
3時間くらい。
でも、ヤンバルクイナがチラっとでも道路端に現れ、
ホントウアカヒゲが、ガードレールの上で給餌しているのを見た日には、やっぱり朝起きてきてよかったとしみじみ思い、
やんばるの凄さに感心する。
やんばるにいることに幸せをかみしめる。
結局、夜まで食べるために休憩は多少はさむものの、野外に出っ放しで、
夜間観察の出撃前に、いったん宿に戻り夜のための身支度を整え、出発するという具合だった2日目、
朝から日が暮れるまで、1日は長いようであっという間だった。
そして、夜からが、爬虫類・両生類探しの本番!
2日目の夜も同じ観察地に行ったのだが、前の晩とまったく違う様子を見せてくれ、とても素晴らしかった。
だから、夜間観察はやめられない。
目と足が、相当疲れるけども。
でも、行かなければ、絶対に出会うことはない。
大好きなクロイワトカゲモドキに、たくさん会えた。
写真の様に、正面から観察・撮影できるタイミングは、一晩に一回あるかないかだが、
目つきのせいで、凛々しさがハンパない。
「やんばるの小悪魔」と表現する人もいるが、
私にとっては、その言葉は適切とは思えず、
植物のはざまに彼らの体の一部が見えた時の喜びは、
とても大きく、なんと言っていいのかわからない。
と、書いていて、思い出して興奮してきているのに気づく。
通っている観察地のトカゲモドキは、尾を自切した後の再生尾を持つ個体が多く、
決して、彼らにとっては住みやすいわけではない様だけども、
それでも、鳥、コウモリ、ヘビ、トカゲ、カエル、カニ、オオウナギ、昆虫など様々な生きものが生息している。
この生息地が、末長くこのままでいてくれることを心から望む。
撮影日 8月15日
撮影地 沖縄県