助けてくれる人が都合よく現れるなんてことは、あり得ないと思っていた。そもそも、新しい人と出会わない生活を長くしていた。周りの人が、助けてくれないということは、もう自力でやるしかないということだとわかっていた。
しかし、仕事で悩んで、どうにか打破したくて、セミナーやワークショップに時々行ったりしていたら、同年代や、自分より年上も年下の異業種の人と話す機会ができた。
何だか、新鮮で、新しい関係性を持てたことが嬉しかった。だからといって何が変わったわけではないが、会社の人でない、外の人と接し、外部の人から自分がどう見えるのかを少し知ることができて、楽しかった。
そして、自分以外の人は、いろんなことを知っているように感じたし、みんな親切でいい人だった。
『人の芝生は青く見える』のはわかっているが、差し引いたとしても、余裕があって、楽しそうに見えた。実際はよくわからないけど、状況だけ聞いている限り、自分みたいに切羽詰まっている人はいない。なんだか、うらやましかった。
自分のしていること、しようとしていることが、所詮無理があるのだと途中、思った。
でも、どうにかしたかった。
そうしたら、あるセミナーで知り合った人が、「本気で話を聞きますよ。」と。声をかけてくれた。望んでいたが、本当に?と驚いた。
話がそれるが、この時だけでなく、強く望んでいると、これまでにも必要な助けてくれる人が目の前に現れた。嘘みたいだが、いつか会いたい、一緒に仕事がしたいと思っていた人にも暗闇で偶然出会って、その後、一緒に仕事もできた。何か不思議な力を感じる。
私は、仕事で自分の手に余るようなことを、無理なことをしたいと考えていた。それは、ホームページを、新しくできないかと、ホームページビルダーで作られた古いタイプのものを、今の時代にあったものに変えたいと考えていた。
でもやり方が全くわからなかった。何が新しいのかも、知らなかった。
IT苦手というレベルでなく、できれば触りたくない、新しいものはできれば避けて通りたいと思うような人だった。それじゃ、ダメなのもわかっていたが、そこかしこで、めいいっぱい無理をしていた自分は、これ以上、負荷をかけると自分が壊れそうな気がしていた。
途中、端折るが、その後、永遠に続くと感じた山や谷を無数に超え、所属していた事業部のサイトを、ワードプレスのブログ形式に変更できた。声をかけてくれた人の大きな助力で。
そして、途中、投げ出したくなった時、まったく先に進めなくなった時、ワークショップを共にした仲間が主催したリードフォーアクションというイベントの際に「大丈夫ですよ。きっとできますよ。」と、本読みを一緒にしながら考えてくれた。心底ありがたかった。そして、パワーを充電し、また突き進んで行った。すごいタイミングだった。
予算を取る交渉をしているうちに、なんで私がこれをしているのか全く分からなくなった時もあったが、新しくするというゴールに向かって突っ走った。
年2回発行する旅行のカタログ作成も、10年以上やっても毎回、相当産みの苦しみを感じていたが、それ以上に難産だったサイト作成だった。右も左もわからないというか、あんなによくわからなくて、よくやれたと今でも思う。そんな自分に付き合って助けてくれた人たちには、本当に感謝している。
いまでは、もちろん、やれてよかったと思っている。でも、どうして、あんなに変えたいと強く思い、突き進めたのか、わからない。「今のままではダメだ!」と確信していた熱い何かが、自分を動かしていたとしか思えない。
「なにも君がしなくていいんじゃない。」と夫にも言われたことがあったがその通りだと今では思う。
結果的に会社を辞めることになって、あの苦労して作ったサイトの行く末を見ることはこの先出来ないが、この過程の経験だけが自分に残った。
その間、賛同して、手伝ってくれた人もいた。知らん顔の人もいたし、変えることに意味があるの?という気を削ぐ人もいた。そして、うまく説明できない自分もいた。
そんなこんなで、腐れ縁とは言わないけど、いま、毎日ワードプレスでブログを書いているのは、不思議な気持ちがする。
そもそも、このブログをはじめた、最初のきっかけは、会社のブログ更新がスムーズにできるようになりたい、という理由だった。二番目に、訳の分からないことを、訳の分かるわかるようにしたいと思ったからだ。
おもえば遠くにきたもんだと、今日ここで、ワードプレスと私の関係を書き残せてよかった。
私は、触って、やって覚えることしかできない。
経験を積めば、そのうちわかるようになる。それで生きてきた。これからも、たぶんそれで生きていく。
なんてことを誕生日前夜に、少し酔いながら思って書いてみたら、また長くなった。
※写真は、スリランカで撮影したレンカクの成長です。尾羽が長く、首の後ろが金色なのが成熟した個体の特徴です。あしの指が長いのも特徴的ですが、気持ち悪いという人もいます。私もどちらかというと、その意見に賛成。大きすぎるものは、アンバランスで不自然に感じ、怖いです。面白いといえば、面白いけど。レンカクさん、ごめんなさい。