2017年から毎年6月に三ツ峠山荘に泊まり、山荘の中村さんを中心とした保全活動により復活、維持されている「自然草原」を訪れている。
草刈りをし、山荘に泊まり、その守られた草原に咲く花を見せていただくことを理解していただける人を誘い一緒に出かける。
花に出会いに行くのが最初は目的だったけども、だんだん変わってきてて、今回それが何なのかを自覚した。
花は美しいので、もちろん毎回出会える喜びは大きいし、保全活動の一助になればとも思ってはいたが、自然草原が広がるあの場所に身を置きたくなるのだ。
ここで意味する「自然草原」とは、柵の中で人の手をくわえ継続的な保全活動が身を結び、多様な植物が生育している草原のことで、そこはいっとき一面テンニンソウになったくらいに荒れた場所であった。
バブル期の植物の盗掘などが起因となり、単一植物化した場所を、50年前と同じような多種の植物が互いに関係し合う地に復活した自然草原。
「自然」というと人の手が加わっていない印象を受けるが、ここの場合はそうではない。
今回、山荘でお会いした植物学者の方が「ここは手を入れなければ極相を迎え、草原に花は咲かなくなる。」と説明してくださって、たしかに!と気づく。
人が一度壊したものを、人の手を入れることで戻し、そして現在の状況が柵の中だけ保たれている。
そして、最近は全国各地で問題になっているシカの食害の被害からも柵があることで免れ、かつて心ない人から守るために作られた柵は、今はシカが入らないようにするために役に立っている。シカも考えて木をつたって柵内に侵入するなど、攻防戦が続いているようではあるが。
2022年は、初めて両日共に雨で、草刈りをすることができなかったし、富士山を望むこともかなわなかった。
しかし、雨にけむる樹々に囲まれる道を歩き、水の滴る花は、梅雨に咲く花そのもので、美しかったし、エネルギーを感じた。
こんな出会いの年もあるのだと思って、下山した。その後、今年に限って、たびたび想いをあの地に飛ばしている。
なぜ?だろうと考えていたが、去年3回訪れ、心理的距離感が自然草原と近くなったからかもしれない。
時間が経ったら何か理由がわかるかもしれないと思っていたけど、このままだとそんな思ったことも消えてしまいそうなので、まとまらないけど残しておくことに。
あの地に、エネルギーをつよく感じるあの場所に、行ってみたい人をいつでも案内したいと思っている。
その準備に5年以上かかってるいる状況だが、やっと出来そうな気もしてきた。