まさか自分がキナバル山に登頂したいと考えて、登頂する日が来るとは1年前には全く思っていませんでしたが、
そんな日を50歳最後の日に迎えました。
標高2,000メートルを超えると、100パーセント今まで高山病の症状が自分は出ていたので、最後までビビっていましたが、
うっすらとした遠くの頭痛が、ひどいものに変わることないまま4,095メートルの山に登頂できました。
中国四川省のスークーニャン山に行った時も、自分だけ視野狭窄を移動中のバスで起こし、
夕食後に部屋に戻って意識をなくし、床で朝起きたというのが、3,000メートルを超える場所での初体験で、
それ以後、仕事で標高が高いところを避けていても行くことになり、高山病対策担当になったこともあって、知識は増え、
時折、自分の体で人体実験するような感じで色々試すことになりましたが、
2,000メートルを超えると頭痛がし始め、だんだん息苦しくなり、口が聞けなくなるので、
高度計より感度よく、標高が上がったことを感じられる体でした。
でも、順応性はあって、寝るとかなりスッキリしてあとは大丈夫になることが多いので、なんとかやってきましたが、
今回は、途中の小屋で1泊して、翌朝登頂、同日下山するという、
登山的には普通コースでも、動植物を見るための旅でしか高所に上がったことがない自分には未知の世界でした。
数字で言うと、
登り始め、登山口の標高が、1,866メートル。
宿泊地の宿が、3,273メートル。
頂上が、4,095メートル。
これを、往路は、小屋まで行く。
距離は、6キロメートル。標高差1,407メートル。コースタイム約6時間。
小屋から頂上までは、距離は2.5キロメートル。標高差822メートル。コースタイム約3時間。
4キロメートルの地点前後に、食虫植物のウツボカズラの群生地があるので、そこまでは頑張れるだろうと考えていたものの、
歩き始めて2キロ地点で結構きつくなり始めた。でも、同行者が植物に精通しているので、一緒に歩くことがとても楽しいワクワクする。
自分は探すことに徹底していましたが、途中から、雨にもうたれ寒くなり、いかに安全に歩き続けるか、それに集中し、写真を撮るのもやめました。
今回、最初から大変なのは予測できたので、ミラーレスカメラも、双眼鏡も持っていきませんでした。
ポーターも頼めますが、自分を試してみたかったのもあって、軽量化して背負いました。
でも、鳥の鳴き声も少しは覚えていて、ゴシキドリやサイホウチョウだなぁとかわかって楽しめたし、
4日ぶりに降ったという雨のおかげでカエルも鳴いていたし、声だけでなく、茶色のカッコいいカエルに出会うチャンスにも恵まれました。
往路は4キロ地点を超えてから、復路は4キロ地点を下ってから雨にかなり降られたので、結濡れましたが、
往復合わせて、きっちり観察することができてよかったねという話を現地でしました。
往復で見える景色が違うのはどこの場所でもそうですが、
今回は、体力的にかなり厳しかったので、だいぶ違って見えました。
コタキナバル到着時にキナバル山で雨が降ってなくて、小屋に水がなくなるかも?と聞かされたので、
恵みの雨だたと思うのですが、復路の雨は長かったし、ひどい本降りまではいってないレベルの雨だと理解しつつも、道は川になるしで、なかなかの試練でした。水苔は気持ちよさそうでしたが。
元々、植物観察が目的と伝えてあるので、山岳ガイドの人も急かすことなく、色々おしえてくれたので、ゆっくりペースだったとは思いますが、
記録的に時間を残すと、全て休憩込みの時間ですが、
往路は、7時間、
頂上へ、4時間弱で登り、2時間強で下り、
小屋からの下山は、休憩入れて5時間でおりました。
およそスケジュール通りに登山し、植物観察もできました。
計画当初は、頂上を目指さずに小屋往復で考えていたのですが、思うところあってトライして、そして一番危なそうな自分でしたが、
同行者の皆さんや優秀なベテラン山岳ガイドのおかげで無事登って下りられました、感謝です。
それにしても、今年に入って山には登ってきましたが、高山病が出なかったのは謎です。
体質はそんなに変わるものではないし、
でも考えても仕方がないので、4月のハードスケジュール強化訓練も効いたせいかと考えることにします。
山に登らなくてもキナバル山麓は、自然観察の旅に最適な場所なので、
また皆さんに紹介できたらと思います。
下山翌日には、また小さい山にはいって植物観察したり、車から降りて3分のところにラフレシアを見に行ったりしました。
ボルネオ島は直行便で行ったら6時間程度で行けるし、
安さを求めるなら、ブルネイ経由で行けばいいですし、
初めていく熱帯雨林の自然の旅なら、いきやすい場所でおすすめです。