8回目の最後のドライブ、最終日の朝はカエルから始まった。やはり毎日の雨でカエルの活性化が一気に進んだようだ。そして結果を先に伝えると、早朝ドライブが最後のチャンスだったが、ウンピョウに出会うことはできなかった。近づけていると思ったけど、やっぱりそんなに簡単には出会うことができなかった。
ロッジを出発してから早い時間に、道路にベンガルヤマネコが出てきたから、幸先が良さそうと思った。5分も経たないうちに、今度はベンガルヤマネコの子供が1匹で現れる。そのサイズが子猫サイズ位に小さくて、大型フクロウの獲物に手頃そうと感じてしまう。もちろん、ウンピョウにも。今回、ウンピョウのことをずっと考えながらドライブをしていて、今までにそういう風に思ったことはなかったけども、ウンピョウ目線でほかの生き物を見ているような視界を得て、ちょっと不思議な気持ちになった。そして、その4分後、今度はパームシベットの子供が道路を走った。なんだか、哺乳類がこの日はフィーバーしている。
それから、7分後の5時5分、今度はマレーヤマアラシが現れた。初見の動物で、興奮する。ボルネオ島には3種類いるヤマアラシの仲間。固有種のボルネオヤマアラシはデラマコットで出会っているが、ちょっともさっとしたヤマアラシで最も数が多いとされる、今回出会ったマレーヤマアラシの方が、イメージ通りの固い針をたくさん持つヤマアラシらしいヤマアラシだ。何かを掘って食べているようで、ライトで照らしても逃げることなく食べていた。
ヤマアラシとの出会い後、パームシベット、一度前に見た同じコウモリを同じ場所に見つける。
午後には次の場所に移動し、ここの保全エリアでの観察は終了した。ウンピョウは、真昼間でも出現する時があるし、ロッジの前の川を歩いて、そのまま奥の森に姿を消した話も今回耳にした。現れたら、人に気付いても逃げるわけではないから、観察することは容易だと。ロッジから帰る際の道中にもしかしたらチャンスはあるかもしれないと最後まで前方を見て前からの出現に備えていたが、今回は出会うことは叶わなかった。でも、今まで一番、ウンピョウの気配を感じた気がした時間を過ごした。シベットやベンガルヤマネコの子供たちが多いこの時期、ウンピョウが獲物をとらえるには簡単な時で、よく動いていそうな感じはとてもした。その感じがわかっただけでも収穫だったけど、やっぱり哺乳類を見るのは難しいと改めて思った。それでも、トライしないと生き物に出会うことはないし、夜間観察で見つける力を上げ続けたいなと感じた。