アルコールが全く無い町をドライシティといいます。
アラスカの北極海に面した町プルードベイ(Prudhoe Bay)、別名デッドホースの町がそうです。ここは、アラスカの地下にあるオイルをくみ上げるための町で、町全体が工業地帯という、とても不思議な町です。
昨年、極北に行かないと出会えない鳥メガネケワタガモや、極北の動物などの哺乳類を観察に、そして、タイガやツンドラという特殊な環境を訪れるためにツアーを作成して行ってきました。
そこで、私が初めて知った言葉です。簡単にいうと、アルコールが飲めない、売っていないという場所です。
この町、そもそも旅行者のためにできておらず、石油関係の働く人のための町です。ホテルも働く人が泊まるための部屋を、空いていれば貸してもらえるという具合なので、ベットが一つのシングル部屋しかありません。とてもシンプルな作りの最低限のものしかない部屋なのに、大きなロッキングチェアに、大きなテレビが頭上にあるという、ある意味特殊な作りの部屋です。
仕事が終わった後の娯楽はテレビなのでしょう。受付の人に話を聞くと、1980年代に酔っぱらってのトラブルが絶えなくて、この町の主な石油会社4社で、お酒を無くそうということに決めたそうです。
問題になったのは、ドライシティという事が、到着して、夕食を食べる段になって初めてわかったということです。飲めないと眠れない、飲むのが楽しみという方も多いので、お酒がないというのは結構まずいことです。
大抵、無いと言ってもどこかで買えるはず、裏道はあるよね?と思って確認したのですが、「一番近い町200キロ戻ったコールドフッドの町でなら買えるよ。」と言われ、ご参加者の皆さまにはお詫びして諦めていただきました。
現地ガイドがお酒を飲まない人だったので、事前に気づけないことでした。
自然観察の旅では、時々こういうことがあります。「ここは大学の施設だからアルコール類は無い。」とか、「この宿はお酒は無い。」とか。
一般観光地なら、ないようなことが時々起こるのが、特殊エリアを訪れる自然観察の旅です。事前にわかっている時は、スーパーまたはお酒の買える酒屋に必ず立ち寄ります。
お酒が無いと困る方は、必ず、日本から何かしらお酒を持ち込むといいかもしれません。もしくは、その国に到着後すぐに入手することをおすすめします。
自分は、寝る前に飲むための、新潟のお酒、ふなぐち「菊水」一番しぼり200ml(缶入り)をいつも持参していきます。心の安定剤です。