リーダーが賢くないと、過酷な環境だと簡単に死に至るのかと思い知った航海でした。
船長はもちろんのこと、島へ上陸をするか否かを判断するエクスペディションリーダーがすごく大事とよくわかりました。
いくらレーダーがあったとしても、氷山がたくさんの海をすすみ、波の影響の少ない島の近くまで船を寄せる、
クジラが見えたり、ペンギンの乗った氷山を見つければ、瞬時にそちらにコースどりしてくれるなど、
南極の海での操縦に慣れていないとできないことでしょう。
エクスペディションリーダーが、基本的に参加者に最大限に上陸または、クルーズさせたいと考えていると説明は最初にあったのですが、
本当にそれを実行するには難しい荒れた天候や海の日も多く、
いまこの海へボートに乗って行けるかどうかの判断をくだすのは、毎回難しいのだろうなと感じた。
こんなんで行けるのか? と海や空を見て思う時も必ずゾディアックを出して、もしくは出そうとして無理だと判断していたから、
本当に上陸させようと毎回努力してくれていたのもよくわかった。
ゾディアック乗り場の階段上にまで海水が入ってきてしまったり、全く無理なのが自明なこともあったし、
うねりがすごくて断念とか、行けない時は毎回説明もあったし、そうだよねと思えた。
ギリギリ出したと思われる数回の時は
「絶対に濡れるから、覚悟して。濡れても困らないようにして!」とボートで説明されたけど、
実際に海水でびしょ濡れになったし、ボートは波で相当上下に揺れた。
そんな時は、乗り降りもタイミングを合わせる必要があり、
自分がする時は波を見ていれば大丈夫と思ってすんなりできたけど、
ボートに座った状態で、人の乗り降りを見ていると2メートルぐらいは軽く上下するので、
見ている方が断然怖かったし、気持ち悪いと思った。
ボートと本船を繋げるのも大変だし、ヘタしたら事故がすぐ起こりそう? とも感じて、
早く本船から離れてとも思ったし、帰ってきた時は早く安全な本船に戻りたいと思った。
かなり海が荒れて波が高い時にクルーズに出かけたのは2回、
ゾディアッククルーズで湾内を超えて、荒れた場所に行ったのは2回と回数は多くなかったけど、
ひとたび何かあれば、死亡事故も起きやすい状況だったよねと後から気づいた。
それは、同じ島に、同じ日にいて、私たちはクルーズに出られなかった日に出かけて亡くなった方の話しを乗船中に聞いたからだ。
クルーズ会社を選ぶときには、出発日とコースで選ぶのがほとんどの人だと思いますが、
しっかり観察させてくれるタイプの船に乗る場合は、
リーダーが優秀でないとまずいなぁと。
南極エリアの自然環境は過酷なので、生死は身近にあると感じました。
自然の中で遊ぶってことは、そういうことだってわかってたつもりですが、
でもある意味、豪華客船でいく南極の旅で、大名旅行的な守られている旅だと感じていて、
実際にとても守られてはいましたが、
でも、一歩外に出たら全然そんなことはなくて、自分の認識が甘かったと気づいたのでした。
南極クルーズ船といっても、いろんなタイプ、種類の船があり、
超大型船で回るだけで上陸はせず船で過ごすタイプもあります。
ペンギンやアザラシ、クジラなどが豆粒みたいにしか見えなくても、
景色や雰囲気を楽しむというならそれでも問題ないでしょう。