大好きなカエル、アラスカで去年出会ってひとめぼれし、連れ帰ったカエルの絵。
ネイティブアメリカン、先住民といわれる人の描いた作品。
生き物のモチーフの中に、また生き物が描かれている。
カエルの中に、クマとサケとクジラがいる。
熊と鮭と鯨だ。
クマとサケは、北米西海岸の森をはぐくんできた、偉大な生き物だ。
なんのこと?って思った方、かなりざっくり話しますが、こういうことです。
鮭と熊と森
サケとクマは、海と川と森をつなぐ、重要な生き物。
サケが産卵するために生まれた川をさかのぼり、遡上して集まって来る。
その集団のサケを、冬眠明けで空腹なクマが、7月上旬にサケの遡上ポイントに集まり食べる。
大量のサケが、クマの血となり肉となる。
クマは、美味しいところしか食べない。
内臓とその周辺位で、頭や尾は食べていない。
遡上のピークに当たれば、サーモンはいくらでも上がって来るから、好き放題かなり食べ散らかしている。
そのクマが食べ残したサケが、今度は森の大地の栄養になる。
北米西海岸の森はすごい
北米の西海岸、温帯雨林はこうして、豊かな栄養と豊富な雨とで、林床は厚い苔に覆われ、樹木は大きくなり、高木が林立する森を形成する。
豊富な雨と、サケがもたらす毎年定期的にもたらされる豊かな栄養で、森がはぐくまれる。
そして、その森の栄養は、また海へと流れ、豊かな栄養の循環がなされる
初めてこれを知った時、とても感動した。
森と海とで栄養が循環してるなんて、想像だにしなかった。
またそれを、熊と鮭がつないでいる。
北米の歴史
北米は、日本に近い方、太平洋側のエリアが一番開発が遅れた。
何故なら、ヨーロッパ側からアメリカ大陸にヨーロッパ人が入ってきて、開発されていったから。
日本となじみの薄い、東海岸から、地理的には近いから当然だが、ヨーロッパ人は入植した。
西海岸側は地形的にも森が深く、開発しにくかったという条件もあり、そしてアラスカの開発運動を阻止しようとした人々の多くの運動もあって守られた。
クジラと私の出会い
去年の夏、クジラにドはまりしました。
バブルネットフィーディングを見たからです。たぶん、誰でも見たらはまるでしょう。
海洋性哺乳類には、あまり強く関心がなかったのですが、とても好きな方がいらして、そしてここ最近クジラの情報が自分に集まって来るので、ツアーを作ってその人に見てもらいたいと思うようになりました。
そして、アラスカのグレイシャーベイ国立公園にザトウクジラのバブルネットフィーディングをみにいくツアーを作り、賭けに勝ちました。
南部アラスカ、ジュノーから小型飛行機に乗り換えて飛んでやっと到着する、グレイシャーベイ国立公園。
星野道夫さんが好きなだった南部アラスカ。
去年、没後20周年の写真展があって、初めて星野さんの作品にふれました。
学生の頃すごく人気があったのに、その頃は流行っているものに乗るのがイヤな気がして、生存中は全く手に取ることがなかった彼の写真や本に、仕事でアラスカの旅を作ることになって知りました。
あぁ、こんなに素敵な人がいたんだぁと。
夏のアラスカのすばらしさ
夏のアラスカは、花も鳥もクジラも、いっせいに華やぐ季節です。
日本では、冬のアラスカのオーロラのプロモーションが成功しすぎて、アラスカ=オーロラ=冬、のイメージが強すぎて、冬のアラスカが有名です。
でも、たくさんの生き物の美しさを感じる夏、夏のアラスカを本当は多くの人に見てほしいと、現地のガイドも言っていました。
夏には、ザトウクジラ、ラッコ、アザラシ、多くの海鳥(パフィン、エトピリカ、ウミガラスなど)、ムース、グリズリー(ヒグマの亜種)、トナカイ、オオツノヒツジなど、ざっと上げてもたくさんの生き物たちを観察することができます。
といっても、行くところに行って、探さないと出会えるわけではありませんが、夏のアラスカも素敵ですよ!と声を大にして伝えたい。
生き物を守って共存してきたネイティブアメリカン
ネイティブアメリカン、先住民の人たちは、自然、動植物と長いこと共存してきました。
そして、必然的に素敵なアートが生まれたのでしょう。
生き物モチーフで、動植物が好きな方なら、きっと魅かれると思います。
北米西海岸、アメリカ、カナダを訪れるとそのアートに触れることができます。
生き物好きなかたにぜひ見ていただきたいなぁと思います。
伝説と共に。
☆星野さんのこの本が、西海岸の森のすばらしさの理解を助けてくれます。
西海岸の森のすばらしさを、私に最初に教えてくれたのは、バンク―バ-在住の川端さんです。なかなか、人に説明できるほど、消化できませんでしたが、約三年かかってやっとブログに書ける位になりました。ほかにもたくさん教えていただいたことを、とても感謝しています。